感想(サ行)

2016年05月03日

さざなみ
45 YEARS

2015年イギリス
2016年04月06日公開
公式サイト
配給:彩プロ
監督: アンドリュー・ヘイ
製作: トリスタン・ゴリハー
製作総指揮: クリストファー・コリンズ
     リジー・フランク
     サム・ラヴェンダー
     テッサ・ロス
     リチャード・ホームズ
     ヴァンサン・ガデール
     ルイーサ・デント
     フィリップ・ナッチブル
原作: デヴィッド・コンスタンティン
脚本: アンドリュー・ヘイ
撮影: ロル・クロウリー
プロダクションデザイン: サラ・フィンリー
衣装デザイン: スージー・ハーマン
編集: ジョナサン・アルバーツ
出演: シャーロット・ランプリング「愛の嵐」
   トム・コートネイ「長距離ランナーの孤独」
   ジェラルディン・ジェームズ
   ドリー・ウェルズ
   デヴィッド・シブリー
   サム・アレクサンダー
   リチャード・カニンガム
   ハンナ・チャーマーズ
   ルーファス・ライト
2015年アカデミー賞主演女優賞(シャーロット・ランプリング)ノミネート
2015年ベルリン国際映画祭 銀熊賞(男優賞)トム・コートネイ、銀熊賞(女優賞)シャーロット・ランプリング受賞
45 YEARS


















やはり年齢層は高めだった。

何社もの映画会社のタイトルが続く。遠ーくに犬が走っている。犬を引きながら歩く。郵便配達員が来て、手紙が届く。夫がかつて交際していた女性の遺体が見つかった。スイスの氷河に50年前に遺体が凍ったままの状態であるという。名前はカチャ、何度もその名前を言うと妻は何度も言わないでと怒る。町でショーウィンドーのスイスの時計を見る。家で音楽がかかり夫婦で踊る。久しぶりということでどうやるか分からないとか言いながらもベッドイン。外が明るくなってみると隣に寝ていた夫が起きていて、ごとごと物音がして行って見ると梯子に上って屋根裏部屋で探し物をしていた。気になってということだが、カチャの物を探していた。

シアーシャ・ローナンの「ブルックリン」、ジェニファー・ローレンスが出ている「JOY」はまだ未公開で、見た作品の中ではブリー・ラーソン、ケイト・ブランシェットよりシャーロット・ランプリングのほうがアカデミー賞主演女優賞に相応しかった。彼女でしか出せない役で唯一無二の役柄だったと思う。

最初のショットでは遠くで犬が歩いていて本当に小さくしか分からない。ミニシアターでの小さなスクリーンでも映画館で見たからこそ見えた。夫婦といってもさばさばとした感じがしていて時々来るおばちゃんみたいな感じだった。手紙を読み始めてから妻のほうがまぼろしの結婚前の夫の恋人に囚われていていらいらが伝わる。歌の歌詞が気に食わないのですぐに消す。屋根裏部屋で見つけたスライドで具現化されて、スライドが切り替わって暗転して表情が現われるのが恐ろしい。これがデジカメのSDカードであったならそうはいかなかったが、一昔前のスライドというのが怒りを表す効果を高めた。結婚45周年パーティーでのあの動作は今後も忘れないだろう。そんなに確認したいんだったら、スイスまで走って行ってきなさい、このくそじじいとでも言いそうだった。
シャーロット・ランプリングは「愛の嵐」の印象が強く、最近ではフランソワ・オゾンの作品に多く出ていて、かなり変わった役が多い。この作品はシャーロット・ランプリングを当て書きしたように思えて、何がなくても彼女がいなければ成立し得ない。


IMDBのトリビア

季節は映画において続いている日々の中で変化しているように見える。火曜日には冬に終わりが表れている。すべての木々の葉は落ち、樫は葉が茶色に色づいている。水曜日の間にパドルボートの上で初春のように見える。低木に若葉が芽吹いている。木曜日は同様に、工場の入口に果樹があって、花が咲いている。土曜日には再び冬になって、木々は葉が落ち、樫の木は葉が茶色になっている。

トム・コートネイが演じる役はハル・シティAFCのマグカップでお茶を飲みます。コートネイはハル・シティAFCのサポーターズクラブの会長です。

シャーロット・ランプリングとトム・コートネイは2013年の「リスボンに誘われて」で共演している。



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2016年04月14日

人生は小説よりも奇なり
LOVE IS STRANGE

2014年アメリカ
2016年03月12日公開
配給:コムストック・グループ
公式サイト
監督: アイラ・サックス
製作: ルーカス・ホアキン
   ラース・ヌードセン
   ジェイ・ヴァン・ホイ
   アイラ・サックス
   ジェイン・バロン・シャーマン
脚本: アイラ・サックス
マウリシオ・ザカリーアス
撮影: クリストス・ヴードゥーリス
プロダクションデザイン: エイミー・ウィリアムズ
衣装デザイン: アージュン・バーシン
編集: アフォンソ・ゴンサウヴェス
マイケル・テイラー
音楽監修: スーザン・ジェイコブス
出演: ジョン・リスゴー
  アルフレッド・モリナ
  マリサ・トメイ
  ダーレン・バロウズ
  チャーリー・ターハン
  シャイアン・ジャクソン
  マニー・ペレス
  クリスティナ・カーク
  エリック・タバック
  クリスチャン・コールソン
LOVE IS STRANGE
















何年かぶりにシネスイッチで見た。銀座の中心にあったとは。今週で終了ということで10人もいなかった。18分も予告があった。椅子はル・シネマに似ている。金曜日がレディースデイで950円で名画座以外で最新映画の上映料金としては最安値ではなかろうか。

ニューヨーク。おじいさんとおっさんが家で用意をしている。早くしないと式に間に合わないぞ。神父にあなたは彼と結婚しますか、はい、あなたは、はい。誓いのキスを。

偏見がどうのというわけではないけれど、おじいさんとおじさんの熱烈なキスを画面で見せられるときつい。

「ガープの世界」でも性転換したジョン・リスゴー、「スパイダーマン2」のタコ人間を演じたアルフレッド・モリナが好演している。この二人の台詞のない表情で見せるのが凄い。切なくなる。

アルフレッド・モリナ演じるジョージはカトリック系の学校で音楽教師をやっていたが、12年間の付き合いのあるカトリックの神父から同性婚はちょっとという感じで教師を辞めさせられる。ジョン・リスゴー演じる画家のベンは年金暮らし。5年ほど住んだアパートを売らなくてはいけなくなる。売って引っ越す間に誰かの家に泊めてもらえないかと頼む。ベンは甥夫婦の家に、ジョージはゲイの警官カップルの家に泊めてもらう。

ベンが居候する甥夫婦の家で甥の妻を演じるマリサ・トメイのベンに気を遣い、最後には切れてしまうという役をうまく演じていた。

ジョージはゲイの警官に興味のないHBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」を見させられたり、人を呼んでパーティーをやったりと落ち着く場所がない。ベンも甥の息子ジョーイに煙たがられたりしてゆっくり寝られなかったり、ジョーイの友達ヴラッドを絵のモデルにしたりしてホモ野郎と言われたりして傷付く。ジョーイがフランス語の本を盗んだりしたことのごたごたに巻き込まれる。

しっとりしたり、重くならないようにさらっと次の話に流れていくのはコメディ的でもあって見やすい。あらすじを最後まで書いてしまうが、二人がバーで楽しく飲んでジョージがベンと別れてベンが地下鉄の入口に降りていく。そこで急に次の展開に。ジョーイとジョージが新しく借りた家にいてその息子が絵を私に来た。ベンおじさんの葬式には出られなかったのを謝りたくてと。葬式のシーンを省略したのが効果的だった。途中でジョージが少女がショパンを弾くところで涙してしまうのも自然だった。しかし、ジョーイとベンが二段ベットの上下で人を愛したことがあるか、以前あった女の子に会えるのなら絶対に声をかけなさい。というシーンのみで最後のジョーイが涙して、女の子と会い一緒にスケボーをするというのにはつながりが悪いし、編集でカットされたのかもう少しシーンを足して説得力を増さないと少年の成長というには無理がある。フランス語の本を一緒に盗んだとされるヴラッドはどうなのかとジョーイの父は言うが、ベンがジョーイに友達が出来ないと悩んでいたじゃないか、せっかく友達が出来たのにと言った時にはジョーイは自分の部屋にいて戸が閉まっていた。そのシーンではベンが自分とヴラッドの味方なんだということが分かったというジョーイの表情を見せるか、部屋までその言葉がジョーイまで聞こえていたんだというショットを入れないと最後のシーンの効果がちゃんと出ない。


IMDBの掲載されていたトリビア

ベンの絵画は監督の夫Boris Torresによって描かれている。

最後のシーンでスケートボードをする女の子は当初スケボーが出来なかった。監督がセットをスケボーで横切ったAnahi Vidalを見て、彼女にその役をやってもらった。




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2016年03月30日

スポットライト 世紀のスクープ
SPOTLIGHT

2015年アメリカ
2016年04月15日公開
公式サイト
配給:ロングライド
監督: トム・マッカーシー
製作: マイケル・シュガー
   スティーヴ・ゴリン
   ニコール・ロックリン
   ブライ・パゴン・ファウスト
製作総指揮: ジェフ・スコール
    ジョナサン・キング
    ピエール・オミディアー
    マイケル・ベダーマン
    バード・ドロス
    ジョシュ・シンガー
    トム・オーテンバーグ
    ピーター・ローソン
    ザヴィエル・マーチャンド
脚本: ジョシュ・シンガー
   トム・マッカーシー
撮影: マサノブ・タカヤナギ
プロダクションデザイン: スティーヴン・カーター
衣装デザイン: ウェンディ・チャック
編集: トム・マカードル
音楽: ハワード・ショア
出演: マーク・ラファロ マイク・レゼンデス
   マイケル・キートン ウォルター“ロビー”ロビンソン
   レイチェル・マクアダムス サーシャ・ファイファー
   リーヴ・シュレイバー マーティ・バロン
   ジョン・スラッテリー ベン・ブラッドリー・Jr.
   ブライアン・ダーシー・ジェームズ マット・キャロル
   ビリー・クラダップ エリック・マクリーシュ
   スタンリー・トゥッチ ミッチェル・ギャラベディアン
   ジェイミー・シェリダン
2015年アカデミー賞作品賞、脚本賞受賞。助演男優賞(マーク・ラファロ)、助演女優賞(レイチェル・マクアダムス)、監督賞ノミネート。
2015年ゴールデン・グローブ賞作品賞、監督賞、脚本賞ノミネートのみ。
SPOTLIGHT















レストランノーマのドキュメンタリー映画の予告編が流れる。世界レストランランキング1位、食中毒を起こしたりもした。見なくても予告編だけで大体分かりそうな気がした。

鉄格子がある。警官が歩いて来る。神父が子供をレイプしたんだってよ。と同僚の警官に話す。

ボストン・グローブ。新聞メディアも段々と人員と資金が減っていく。ニューヨーク・タイムズに傘下になったりしていて、マイアミからマーティ・バロン新しい編集局長がやってくる。ゲーガン神父による子供の性的虐待事件をもう一度調べなおしてくれとバロン編集局長は記者たちに言う。バロンはボストンの村社会には染まっていなくてユダヤ教であったということからゲーガン事件に注目できた。

実際に被害に遭った元少年の男性がいろいろ語る中で、被害者には少女も含まれていて、男女関係なく性的対象としていたことも分かる。

弁護士が彼はまだ生きているだけましだ。ほとんどの人は自殺してしまう。衝撃としか言いようがない。

子供を性的虐待している神父がざっと100人はいて、問題が発覚しようとすると2、3年で担当する地区を変えることで事件の発覚しないようにしていた司教、長老、カトリック教会ぐるみでの巨大犯罪組織ではないかということが判明してくる。女性記者のサーシャ・ファイファーが被害者だけでなく、加害者の神父の家も訪ねる。引退している神父が子供のほうが悪いんだというような言い訳をして姉が出て来てもう来るなと言われる。子供は片親だったり貧しかったり、弱弱しい子が狙われる。カトリック系の学校の校長を神父がやっていたりしてバスケットボール部の男子生徒が被害を受け、大人になって妻子がいてもそのことを思い出すと泣いてしまう。カトリックの特性である神父はプロテスタントの牧師を違って神と同等の地位で信徒に対する絶対的権限を使って悪事を働いたというクズを生み出す構図があった。だから宗教というのは厄介だ。

2001年9月11日の同時多発テロがあって期しずして特集記事は先送りになる。

司教側の弁護士が問題のある神父のリストを出せと言うと、以前、一回ボストン・グローブにそのことを告発した手紙を送ったがちゃんと報道したのかと言われる。それが最後の最後にまで繋がってきて、実は報道する側も完全なる正義ではなかったという苦さも味わえる。事件を追っている記者たちも私生活が荒んでくる。
発表報道ばかりの日本では調査報道がいかに貴重でお金も手間もかかるかがこの作品を見ると分かる。

MXTVで「松嶋、町山未公開映画を見るテレビ」で放映された2006年のドキュメンタリー映画「フロム・イーブル 〜バチカンを震撼させた悪魔の神父〜」(DELIVER US FROM EVIL)においてカトリック教会の神父たちによる子供への性的虐待、レイプの実態が描かれていて日本でも一部の人が知っていたり、メディアでも少しは報道されていた。被害を受けた少女がバチカンに行き、それでもなお拝んでしまうという場面では信仰の恐ろしさをも浮かび上がらす。

最後の事件に関係するカトリック教会を有する都市の膨大な数や問題のある司教がバチカン市国に行って位が上がったりしたり、ちゃんと事態を把握して謝罪していないというバチカンの態度には呆れる。

ドキュメンタリーはそういうことがあったんだというのが予め分かっていると特に珍しいことを描いているという感じはしなかった。アカデミー賞作品賞ということだが、それがないと売りがあるようには思えない。



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2014年04月19日

自由と壁とヒップホップ
SLINGSHOT HIP HOP

2008年パレスチナ/アメリカ
2013年12月14日公開
公式サイト
配給:シグロ
製作:ラムズィ・アラージ、ジャッキー・リーム・サッローム、ワリード・ザイタ
監督:ジャッキー・リーム・サッローム
編集:ジャッキー・リーム・サッローム、ワリード・ザイタル
ナレーション:スヘール・ナッファール(DAM)
出演:DAM、マフムード・シャラビ、PR、ARAPEYAT、アビール・ズィナーティ
字幕翻訳:吉田ひなこ
字幕監修:田浪亜央江
SLINGSHOT HIP HOP
























チャックDのラジオ番組にイスラエル在住パレスチナ人初のヒップホップグループDAMがゲスト出演。DAMのリーダーがレコードコレクションを見ながら、トゥパック、パブリックエネミー、スパイク・リーの「Do the right thing」「マルコムX」などから影響を受けた。レコードから30%、文学から30%、そして窓の外を指しそれから40%と話す。窓の外はパレスチナ人を囲んだ分離壁。イスラエル人によって家を壊されて侵略され難民と化してしまった。オリーブ畑も破壊され職がなく、若者は水パイプを吸いだらっとしている。ドラッグを売って稼ぐ者もいる。そんな中でDAMはラップをすることで生きてきた。誰がテロリストとラップする。



ガザ地区に住むPR(パレスチニアン・ラッパーズ)の一人は音楽で変えていくと言う。父親も武力で対抗しても武力で返してくる。音楽によってという息子の方向を支持していた。初ライブを成功させる。

女性にしか歌えないものがあると二人のフィーメールラッパーが出てくる。DAMがサポートする。

ガザ地区、西岸地区ではパレスチナ人居住区内35キロ程度の道でも何度も検問があって7〜8時間移動にかかる。トラックや車が永延と並んで検問を待つ。

イスラエル人が住む地区でアラビア語を話すとイスラエル人警官がやってくる。路線バスに乗りたくはない、乗るとじろじろ見てくる。リュックを背負っていると自爆テロと疑われて尚更警戒される。無理してヘブライ語を話す者もいる。

各地に分かれて住んでいるパレスチナ人はすぐ近くにいるのに会えず、スカイプでやり取りしたりしていた。各々が同じラップをやっている同士と会いたいと切望する。DAMが中心となってヒップホップグループを集めたフェスを開催する。客席も盛り上がる。PRも検問の通行許可証を取得してフェスへと向かう。DAMが来れなかったPRへと歌う。

爆撃されたアパート。銃撃音がする街。

後にDAMとPRと実際に会う。ハグする。号泣とまでいかなくても号泣メーンと熱くなる。現実の厳しさ、パレスチナ人が置かれた状況をヒップホップで乗り越えましたというような簡単なものではない。ただ、彼らがラップした一瞬、観客が盛り上がっている瞬間に想像の中で解放されるということがあるような気がした。それがうれしいことではないのだろうが、彼らほどレペゼンというのを表現できるラッパーもいない。かつて迫害された民族が迫害していくというのも人々一人一人というよりも国家権力がそうしてしまうという嫌な面が常に着いてきた。



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2010年07月17日

ザ・コーヴ
THE COVE

2009年アメリカ
06月26日公開予定
配給:アンプラグド
PG12指定
http://thecove-2010.com/
劇場情報
☆1
監督:ルイ・シホヨス
製作:ポーラ・デュプレ・ペズマン
   フィッシャー・スティーヴンス
製作総指揮: ジム・クラーク
脚本:マーク・モンロー
撮影:ブルック・エイトキン
編集:ジェフ・リッチマン
音楽:J・ラルフ
出演:リック・オバリー
   ルイ・シホヨス
2010年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞
(コーヴはコーブではありません。)
thecove














暗視カメラ。

サングラスにマスクをしたおじいさんが車を運転している。港が近い漁の村を回っている。おじいさんは顔がばれるとまずと日本人のようにならないととかがめる。

和歌山太地町。おじいさんはリック・オリバー。かつては「わんぱくフリッパー」の調教師をしていてイルカの人気が出てしまってイルカショーが行われるようになる。フリッパー役のイルカを苦しめて彼が言うにはストレスで自殺してしまったことでイルカたちを苦しめたことに懺悔し反省してイルカの解放運動に身を捧げるようになった。IWCにも行きイルカの禁漁を訴えるが、イルカはクジラ類には属していなかった。彼は会議には出られず永久追放されていた。

太地町で行われているイルカ漁でシーワールドのイルカショーに使えそうなイルカを買いに来た人たちがいる。その後残されたイルカが殺される入り江がある。そこに入り込んでオリバーは撮影したいのだが漁師に阻まれる。そこを撮るための特別チームが編成される。ダイバー、カメラマン、ILM作成の岩に見立てたカメラ、暗視カメラ、水中録音機などを使って試みようとする。
オリバーは水銀が非常に多く含まれているイルカを食べると日本の皆さんにも健康を害する、だからイルカを獲らないでと訴える。日本は水俣病で苦しんだでしょうと投げかける。イルカを獲りすぎて壱岐では漁が出来なくなった。またマグロなど日本は魚介類を食べ過ぎる、乱獲だ、このままだと海洋資源がなくなる。なのでイルカも獲らないでくれと訴える。銀座でイルカが食べられているの現状があるのを知っているかと日本人に聞くが知らないと言われる。ということはイルカを食べることは日本文化ではないのではという主張をする。

夜中にカメラを仕掛け、スペシャルチームが動く。ついにイルカを殺す入り江を撮る事に成功する。漁師たちがイルカを銛で突き海が血の赤で染まっていく。イルカがもがく。空撮も。オリバーは涙を流し語る。

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2010年06月23日

サバイバル・オブ・ザ・デッド
George A. Romero's Survival of the Dead

2009年米、カナダ
06月12日公開
プレシディオ配給
http://www.survivalofthedead.jp/
R18+
☆☆☆★3.5
監督:ジョージ・A・ロメロ「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」
脚本:ジョージ・A・ロメロ
撮影:アダム・スウィカ
編集:マイケル・ドハティ
音楽:ロバート・カーリ
出演:アラン・ヴァン・スプラング
   ケネス・ウェルシュ
   キャスリーン・マンロー
   デヴォン・ボスティック
   リチャード・フィッツパトリック
survivalofthedead














ニュースでは蘇った死者が人々を襲い肉を食らうという事件が流れる。ある倉庫に死者が置かれていて蘇り襲おうとするのを銃で殺す。
SURVIVAL OF THE DEAD
デラウェア州沖に浮かぶプラム島。そこではゾンビを島民が銃で殺す。その殺した者がある一軒の家に行き子供はと尋ねると子供たちはゾンビと化していた。ゾンビを殺そうとするとゾンビは殺すなという一派に出くわし銃を置けと言われ出てきてしまう。ゾンビを殺す派の老人と数人の男はボートで島を出ることになる。
それから4週間後、世界各地はゾンビによって混乱し安住の地がなくなっていた。マシンガンを持った元州兵4人と少年が盗んだ車で移動し、ゾンビなどとの格闘の末、老人が安全な島とネット上の動画で言っていたところまでフェリーで移動する。そこはプラム島だった。

ロメロ大先生の映画が劇場で大画面で見られたということだけでもうれしい。
インディペンデント映画で非常に規模が小さい話ではあるが、そのほうがゾンビのチープさがより活かされてよいものになっている。ゾンビを殺してしまう一派と生かしておこうとする一波との対立で話も単純化していた。それだけに裏に隠れたテーマというのは前作の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」よりも深みがなくなってしまった。だが、人を食い尽くすゾンビの気持ち悪さ、怖さが際立って笑えてゾンビ映画を満喫できた。
ロメロはアメリカでは憎しみや恨みが溢れていて誰もが互いを尊敬できないでいる。それを対立する二人の老人を描くことで象徴させたと語っている。生をも凌駕してしまうくらいの憎しみ、欲望が描かれていたとは思う。最後の最後のシーンはロメロならではの人間の滑稽さを表してた。



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2010年01月12日

サヨナライツカ
2009年フジテレビ
アスミック・エース配給
01月23日公開
http://sayo-itsu.com/
R15+
★★★−3
監督:イ・ジェハン「私の頭の中の消しゴム [DVD]
原作:辻仁成『サヨナライツカ (幻冬舎文庫)
脚本:イ・ジェハン
   イ・シンホ
   イ・マニ
主題歌:中島美嘉『ALWAYS』
出演:中山美穂
   西島秀俊
   石田ゆり子
   加藤雅也
   マギー
sayonaraitsuka

















ビジネスマンの豊は結婚することが決まっている。婚約者は日本にいて、バンコクに赴任していた。ある日、同僚たちと飲んでいて豊の隣に沓子が座る。意気投合し、婚約者がいるにも関わらず、豊は沓子と何度も会う。豊が勤めている航空会社は何かの事業に成功し、25年後。

出会いから唐突だし、中山美穂は老けて見ていて厳しいものがある。途中変なメイクも登場してドン引きだった。まるで現実感がない物語。ベッドシーンではきついものがあった。もう中年なんだからきれいごとではなくて、胸くらいさらけ出してもと思ってしまった。
終始盛り上がる部分もなく、低い温度で過ぎていくばかり。

いきなり25年後で老けメイクがコントのようだし、加藤雅也さんに至っては変な老けかつらを被っていて異様だった。

どう見ても西島秀俊さんが演じている男の言動が辻にしか見えなかった。それが非常に気持ちが悪かった。原作自体がよくないんだろうと思う。どの登場人物にもはいっていけなかった。マギーさんも役どころが「クライマーズハイ」の時とほぼ同様だった。海外で撮ってきましたけど、どうですかというような姿勢も嫌だった。
この映画ほど終わるのを待ち望んだ映画もなかった。エイエンにサヨナラ、もう会いたくないと思った。



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2009年10月02日

精神
2008年
アステア配給
06月13日シアター・イメージフォーラム他、全国順次ロードショー
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/
上映劇場:http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php
監督のブログ:http://documentary-campaign.blogspot.com/
☆☆☆★3.9
監督:想田和弘選挙 [DVD]」『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)
製作:想田和弘
撮影:想田和弘
編集:想田和弘
製作補佐:柏木規与子
録音:想田和弘
08年釜山国際映画祭、ドバイ国際映画祭で最優秀 ドキュメンタリー賞。
マイアミ国際映画祭で審査員特別賞。
香港国際映画祭で優秀ドキュメンタリー賞を受賞。
ベルリン国際映画祭(09年)正式出品。
seishin

















これから見たいという方は読まないで下さい。

太目の中年女性が泣きながら話す。それを老人の医師が聞く。古い家の中で。その部屋を出ると、千の風になってを歌いながら背中をさする人。部屋で座って、気分がと。外に出るとベンチに座っている中年女性。カメラで撮るなら口紅つけれくればよかった。鬱は苦しい、死にたくなる、周りの人も自殺でいなくなってと語る。

眼光鋭いスキンヘッドの男性。

精神

まるまる太った中年女性が現れる。ショートステイで1日泊まると。ベッドに腰掛け、自宅に帰ると男の声が聞こえる。それは20年前から会っていない父親の声ではないかと語る。カメラを見ずに通院していたこと、自分が結婚し、通院できなくなり、子供を産み、赤子が泣き止まず手で口をふさいでしまったこと、離婚、自殺未遂、入院を繰り返したということを淡々と話す。

ずっと頭の中で声が聞こえる中年男性。一番最初の女性がなぜ通い始めたのか、生活の苦しさを語る。若い頃は体も売って凌いだ。生活保護申請も厳しくなり、障害者自立支援法も可決されようとしていた。薬の負担額も増える。やったな小泉と笑う。

食べ物を出す、牛乳を配る作業所も公的な援助なくしてやっていけない。診療所への患者の審査も厳しくなる一方だった。

勉強していておかしくなってしまって20数年以上医師とのつながりのある冗談を言う男。薬の配分をする女性。

等々。


外来の精神科診療所こらーる岡山の山本昌知医師と患者を撮った「選挙」の想田監督の観察映画第二弾。「選挙」は普通に撮りながらも滑稽さが全面に出ていたコメディ映画と化していた。デジカメで比較的低予算で撮ったドキュメンタリーと言える。今回はちょっと構えて見に行かなくてはいけない作品なのかなとも思った。そういう点ではもうそこにカーテンが生まれていたのかもしれない。劇映画、ドキュメンタリーでは物語る道筋に沿って見ればいいし、受け身で見てそれに従ってしまう人がほとんどだ。しかし、観察映画という手法では見るほうにどうとでも任されているので、映画によって観る側にある物を映されるし、透かされる。

重度の人が多かったかもしれないけれども、軽度の人もいた。不安で眠れなくて話を聞いて欲しくて精神科に通ったこともあるが、ほかの患者はほとんどの人が眠れない、職場のストレスなどで何とか精神を保っていた人が多かったようだ。日本では自殺は増え続け、患者も増え続け、メンタルクリニックは繁盛する。話を聞くのがうまい医者もいるんだろうけど、あまり聞いてくれる医者ではなかったので通うのはやめた。この映画ではかなりコアな人も登場する。自分の子を虐待して殺してしまった女性は淡々と語る。彼女にどうしてそんなことをしてしまったのかと責めることは出来ない。そこに反省、善はないように見えたからだ。
最後のほうに語っていた老人が健常者と通院者、患者の違いはそうないんじゃないか。みんな完全な健常者とは言えないというのはそうだとは思った。今の時代、何かしら不安で悩んでいて、ストレスがたまっていてという人は少なくないと思う。ただ、映画では精神科に通う患者、短時間だが、ホームヘルパーの手伝いを必要とするハンディキャップを持ったいわゆる障害者というのが混在していて、そこがちょっとどうなのかとは思った。そこを意図的に分けてしまえば観察映画としては成立しないのだが。

この映画には知らなかったものが特別に存在するものでもない。映画的に成功しているのかというとそうとも言えないような面もあるような気がする。でも、どう進んでいくのかをずっと凝視してしまう。金儲けには興味がない、患者の話をじっと聞く山本医師がいなかったらこの映画はまとまらないんじゃないか。

政権交代でようやく廃止になりそうな小泉政権時に成立した障害者自立支援という名の弱者排除の悪法そして、社会保障費の削減によってどれだけ苦しめてきたかということがわかる。精神的な不安に加え経済的な負担、不安を考えなければいけない社会とは何なんだと憤ってしまった。

あっさりと最後に出て来た患者3人が追悼という形で逝かれたことがわかってしまったということがまた衝撃的だった。



映画『精神』公式サイト



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