感想(ア行)

2016年03月24日

エスコバル/楽園の掟
ESCOBAR: PARADISE LOST

2014年フランス/スペイン/ベルギー/パナマ
2016年03月12日公開
http://www.movie-escobar.com/
配給:トランスフォーマー
監督: アンドレア・ディ・ステファノ
製作: ディミトリー・ラッサム
製作総指揮: ベニチオ・デル・トロ
     ジョシュ・ハッチャーソン
     モリッツ・ボーマン
脚本: アンドレア・ディ・ステファノ
   フランチェスカ・マルチャーノ
撮影: ルイス・サンサンス
プロダクションデザイン: カルロス・コンティ
編集: デヴィッド・ブレナー
   マリリーヌ・モンティウ
音楽: マックス・リヒター
出演: ベニチオ・デル・トロ パブロ・エスコバル
   ジョシュ・ハッチャーソン ニック
   クラウディア・トライサック マリア
   ブラディ・コーベット ディラン
   カルロス・バルデム ドラゴ
   アナ・ジラルド
ESCOBAR


















腹の出たおっさん(ベニチオ・デル・トロ)がベッドに座っている。短パンのおっさんが外に出て何かを埋めたかで祈る。ジョシュ・ハッチャーソン演じる青年ニックとその彼女が慌てて荷造りをやめてベッドにスーツケースを隠す。明らかにやばそうな男たちに目隠しをされて見知らぬ場所に連れて来られる。腹の出たおっさんが部屋に入ってきて俺は明日収監されると告げる。

数年前に遡る。

場所はコロンビアの海岸。ニックがで木材を運ぼうとしていてトラックを借りてその代わりにサーフィンを教えるよと現地の若い女性に話しかけると無料で貸すと言われる。俺はカナダ人だと言う。広場の建物から大きなエスコバル(ベニチオ・デル・トロ)の顔の写真が載った国会議員に出馬するための垂れ幕がお目見えする。海岸でニックとその兄夫婦が海の家の商売を始めようとすると鉈を持ったごろつきの兄弟に出て行けと脅される。ニックはトラックのお礼に花束を私に女性の家に行く。その後付き合い始める。村を出て行くという話をされ、診療所を作りましたと演説しているエスコバルの隣にその女性がいて、彼女はエスコバルの姪マリアだった。ニックは服屋でジャケットを選んでいて、そこにごろつき兄弟が大きな犬を連れてきて、出ていけと言っただろうと言われ犬に腕を噛まれ意識が遠のく。場面が変わってプール付の豪邸にニックとマリアはいた。プールにいたエスコバルに挨拶して歌っているエスコバルを見てニックはマリアに叔父さんの資金源は何と聞くとコカインと言ってコロンビア人は昔からコカの葉を噛む習慣があるのよと。婚約してそこにしばらく暮らすが、エスコバルの部下が人の血が付いた足を洗っている姿を見てニックは怖くなり、ここを出ようとマリアに言う。

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2016年03月15日

アーロと少年
THE GOOD DINOSAUR

2015年アメリカ
2016年03月12日公開
配給:ディズニー
公式サイト
監督: ピーター・ソーン 短編「晴れ ときどき くもり」
製作: デニス・リーム
製作総指揮: ジョン・ラセター
        アンドリュー・スタントン
        リー・アンクリッチ
原案: ピーター・ソーン
    エリック・ベンソン
    メグ・レフォーヴ
    ケルシー・マン
    ボブ・ピーターソン
脚本: メグ・レフォーヴ
音楽: マイケル・ダナ
    ジェフ・ダナ
声の出演(日本語吹替版): 安田成美 アーロのママ
      松重豊 ブッチ
      八嶋智人 ナッシュ
      片桐はいり ラムジー
      石川樹   アーロ
THE GOOD DINOSAUR




















☆☆☆

隕石が地球に落ちなかった。二頭の恐竜が畑を耕し、種を撒いている。小屋に3つの卵があり、次々と生まれてくる。最後に大きな卵から一番小さな恐竜が生まれた。それがアーロだった。

3D吹き替えで見た。吹き替えといっても大して台詞もなかった。10人程の客入り。小さめのスクリーンで普及している3D方式だったのだが、以前よりもかなりきれいに映していた。上映前の説明をする女の子が変わっていたのが驚きだった。

序盤は文明というか言葉を話す擬人化ではない世界の中での面白さが溢れていた。3兄弟の中で一番劣っている所からスタートする3匹の子豚のようなストーリー。父親の恐竜が強くなれと言う。その主張が何度も何度も出てきてかえって陳腐になる。アーロはそのことでしか原動力にならなくなる。父がいなくなって母親だけで疲れ切っているという場面ではほかの大きな体の兄弟はどこにいったんだという疑問を感じて場面を展開させるだけに母親が出てきたという場面設定だった。プテロダクティルス(プテラノドン?)やバッファローを追うハゲワシのような動物はただの敵としか描かれずに奥深さがない。トリケラトプスも登場するだけで特に役割はない。ティラノザウルスたちに合った時にはアーロは子供だからと仲間になってしまうが、そこは都合が良過ぎる理屈だった。必然的ではないストーリーは「メリダとおそろしの森」の苦い感じを思い出させてしまっていた。アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされなかったというのも頷ける。

「ジュラシック・ワールド」でも嫌がられていたプテラノドンがこの作品でも嫌な奴として描かれていた。

言葉を持たない人間の子供が動物的本能を持っていて嗅覚が発達している犬のようになっているのは恐竜の時代が続いているという世界の中での設定としては面白い。段々と友情を芽生えさせていく場面場面はユーモアはあった。人間以外の動物たちが言葉を話すリアル鳥獣戯画のようになってしまっている間抜けさのようなものが邪魔になる時もあった。

ストレートなアーロの成長譚であって、ピクサーならば映像だけではなく脚本で唸らせてほしかった。「インサイド・ヘッド」と比べると雲泥の差だった。

山々などの景色はCGを使って描いているようだが、実写のように見えて、そこにキャラクターもうまく溶け込んでいた。ならば、お金をそこに投入せずに実写を使えばいいのではという疑問もなくはないが。

日本語版主題歌のkiroroは最後のほうの話からの選定だったのかもしれないが、ちょっとベタ過ぎないかと思った。

ボクのスーパーチーム
SANJAY'S SUPER TEAM

2015年アメリカ
監督: サンジェイ・パテル
製作: ニコール・パラディス・グリンドル
製作総指揮: ジョン・ラセター
音楽: マイケル・ダナ
第88回アカデミー賞短編アニメ賞ノミネート






Bear Story



Prologue



We Can't Live Without Cosmos



WORLD OF TOMORROW




恒例の本編上映前の短編アニメーションがあった。「ボクのスーパーチーム」のほうが本編よりも台詞がない分余計なものがなくて見やすい。子供が想像して、それを自由帳のような物に描くというのがアニメーターならずとも全ての原点のような気がした。この作品はアカデミー賞にノミネートされて、そのほかの作品と受賞した作品の本編やトレーラーも見てみると、やはり受賞した「Bear Story」が圧倒的だったように感じる。ノンバーバルで伝わる。「Prologue」は鉛筆の画で描いていて迫力もあって血が出たり死んだりと見入ってしまう。




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2014年04月26日

WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜
2014年日本
2014年05月10日公開
配給:東宝
公式サイト
☆☆☆☆
プロデューサー:藤巻直哉(博報堂)ほか
監督:矢口史靖
原作:三浦しをん『神去なあなあ日常 (徳間文庫)
脚本:矢口史靖
脚本協力:矢口純子
撮影:芦澤明子
美術:花谷秀文
編集:宮島竜治
音楽:野村卓史
音楽プロデューサー:和田亨
主題歌:マイア・ヒラサワ『Happiest Fool』
出演:染谷将太
   長澤まさみ
   伊藤英明
   優香
   西田尚美
   マキタスポーツ
   有福正志
   近藤芳正
   光石研
   柄本明
woodjob























勇気(染谷将太)。合格発表の掲示板前、お前あった?ない。学校に行き、浪人だけどと恋人にキスしようとするが、避けられる。仲間と一緒にカラオケに歌って飲んで。じゃあねと朝に。商店街のアーケード、パンフレットが並べてある。自衛官募集のパンフ、これはないない。その下にあったかわいい女性が表紙の林業やりませんかのパンフ。これだと応募。川崎の駅前をカメラが主人公目線で行き交う人々。電車に乗る。田舎へ。携帯の電波が届かない。帰ろうと思うが、何時間も電車が来ない。携帯をビニール傘に溜まった水に落とす。壊れる。災厄。研修所のおじさんが迎えに来ていて車に乗る。十数人生徒がいる。何か質問ありますか?このパンフの彼女はいないんですか。ここよく見て。(イメージ写真です)もう帰りますと言おうとする前に辞めていく生徒がいて、車で帰っていくので乗せてもらおうとするが、行ってしまう。バイクの後ろに乗りなという女性を見るとパンフレットの表紙の彼女(直紀)だった。駅前で下ろしてもらった。甘い気持ちで来られてもと。やっぱり戻ろうと歩いて宿舎まで帰る。寝床へ戻ると布団を被るがチャイムが鳴りすぐ起きる。伊藤英明がチェーンソーで木の倒し方を教えてもらう。倒れるぞーと勇気が言う。そんなことは今では言わない。ちゃらちゃらしている勇気の態度が鼻につく。いい加減だとチェーンソーでマネキンを切り倒す。案の定ぐらついて手を刃物で切る。そんなことだから怪我すんだ。ちょっと切っただけで騒いで情けないと。突っ張っている風の人に手拭いで応急処置をしてもらう。一ヶ月経ち修了証書をもらう。君は一番に辞めると思ったけどよく頑張ったと言われる。ほかの生徒にも同じことを言っている。

1年の実地研修。パンフの彼女が乗っていたバイクに中村林業に決める。ほら乗れと伊藤英明が出てきて、お前かと機嫌が悪い。車にぶつかった鹿が路上に。死んだ鹿を持てと言われて荷台に乗せる。川の水を飲めというが、虫が入っていて飲めない。親方に挨拶に行く途中で犬を連れたおじいさんとすれ違うが挨拶はない。親方と伊藤で山に向かう。足場が悪く、いきなり滑り落ち、ヒルに血を吸われる。夕御飯は昼間の鹿を裁いて作った刺身。気持ち悪くて食べられない。夜中、冷蔵庫を漁ってパンを食べる。急いで飲もうとしたコップには婆さんの入れ歯が入っていた。

〜〜〜

相当厳しい環境の中できついことも多い。山はあるけど何もない。厳しい環境で林業を営むというのはそう容易いことではない。その中での休憩中の山での淹れたてのコーヒー。その幸福感が伝わってくる。

染谷将太と海猿から山猿になった伊藤英明のコンビネーション、バディ感が堪らなかった。勇気の枕を蹴って起こす。起こす。その前に起きる。彼女だった子とその大学生友達のサークルの連中が知った風なことを言って腹を立てていた伊藤英明を妻は止める。その意図を汲んだかのようにお前ら変えれよと勇気がデジカメのメモリーを抜き取って投げ捨てる。ここで伊藤は嬉しそうに目で語る。山の一員に。

小学校で勇気と直紀のドッジボール。

よそ者は祭りには参加できないと村の重鎮のじいさんは言う。その後、男の子が山で神隠しに遭う。勇気が連れ戻す。その男の子は村のじいさんの孫だった。お礼に来て、祭りに出ろと。

今一番乗っているマキタスポーツ。山のおじさんになりきっていた。山の歌みたいなものを疲労する見せ場もあった。

御柱祭のようなものが出てきて、まさかのちんぽを象った御神体に跨り、おまんを象った薪藁に突っ込んでいく。コメディ的要素の最大の見せ場。

最後の実家の描写で、もうそこには自分の居場所がなかったという悲しさもあった。自立というえば自立なのだが、そこが現代的でもあって、代替的家族があるというのが幸福ではあった。

最近の物は設定にかなり無理もあって、今までの矢口監督作品はオリジナル脚本だったこともあってどこかPFF感が抜けず、映画研究会っぽさがあって内々の感じが良くも悪くもあった。この作品はそういうものがなくてもっと真摯に映画に向かっていて嫌らしさがなくなっていた。無理して盛り上げようというのではない爽快感が存在していた。どのキャラクターも生き生きとしていて映画の神様が降りてきたと言っていい。



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2014年02月10日

新しき世界
NEW WORLD

2013年韓国
2014年02月01日公開
公式サイト
配給:彩プロ
☆☆☆
監督:パク・フンジョン
脚本:パク・フンジョン「悪魔を見た」
撮影:チョン・ジョンフン
音楽:チョ・ヨンウク
出演:イ・ジョンジェ「10人の泥棒たち」
    チェ・ミンシク
    ファン・ジョンミン
    パク・ソンウン
    ソン・ジヒョ
    チュ・ジンモ
    チェ・イルファ
    チャン・グァン
NEW WORLD






















縛られている男、指を金槌で叩かれる。港でドラム缶に詰められて海に落とされる。新世界。

空港で背広を着た男たちが白いスーツでサンダル、サングラスの男を待っている。兄貴と呼ぶ。病院の待合室で男たちが集まっていて手術着を着ている医者が亡くなりましたというと、会長を生き返らせろやと怒る。葬式のシーンになり、車に隠れて葬儀に来る人をカメラで撮っていると、車のガラスにひびが入り割れると、つぶやきシローがゴルフクラブを持って怒ってカメラを奪い誰の許可で撮ってんのやと切れると、仕事なんだ、チェ・ミンシクが言う。警察の課長に出世したんだと言う。

大して核心には触れていないが、ストーリーを知らないで見たほうが楽しめる。ここからはがんがん物語に言及する。そのうちにチェ・ミンシクが主人公でヤクザを演じるイ・ジョンジェに会って情報を渡せというところから潜入捜査物ということがわかるんだけど、冒頭の登場した段階でこの風貌でヤクザというには少々疑問が生じてしまうのでもう少し悪そうでもあってという役者が良かったのだと思う。それがまた最後への話が読めてしまうような驚きがまた減っていってしまう。

一方で主人公のボスを演じるチンピラ風のチョンチョンを演じるファン・ジョンミンは危なっかしい感じと下っ端をいじって叩くのが嫌な感じでありながら後々に愛着が出て来て非常に魅力的に見えていた。チョンチョンと対抗する内部のグループを仕切る男を演じるパク・ソンウンが最初はアリとキリギリスの石井さんに似ていると思ったら次からはつぶやきシローそっくりなんだけど、つぶやかないで迫力があってというのがストーリーとは関係なくおかしい。

パク・ソンウン




潜入捜査でいうと香港映画の「インファナル・アフェア」が思い浮かぶ。それに比べると正体がばれたらどうしようというドキドキさせる展開が一度しかなかった。情報を取引していた女性警官がドラム缶に入れられていて、チョンチョンが調査書を渡してこの中にも裏切り者がいたというところのみだったのが残念だった。そして、チョンチョンが許したというか優しさの余地を残したのかが途中では全くわからないけれども、最後になって若い時の頃の話が流れて運命を共にした的な話が付いていた。しかし、それももっと劇的な話ではないとチョンチョンのしたことにつながらない。その前にはナイフを持って首を刈るような悪行をしているのに話が弱過ぎる。女性警官を調べて殺し屋を送るのなら、チェ・ミンシクに会うにしてもすぐにシーンが変わってもしも人が後をつけてきていたらと考えてしまうようなところもあった。潜入させて組織を揺さぶっていくためのモチベーションが何なのかの描写も足りなかった。殺し屋もいかにもという漫画的な感じが強すぎた。

惜しいところもあるけれど、葬儀からヤクザが集まって大体の人物の性格を観客に把握させて、内部での抗争、エレベーターでの上からの刃物での刺し合いの妻の破水から流れた血からまたエレベーターへの血の見せ方がうまかった。地方の役員たち、特に「トガニ」で双子の不気味な校長を演じていたおっさん等々の今まで悪口を言っていたけど強い者には従ってしまう小物感が非常に出ていた。134分あるのだからもう少しひねりがあっても良かったのか。



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2014年01月28日

オンリー・ゴッド
ONLY GOD FORGIVES

2013年デンマーク、フランス
2014年01月25日公開
配給:クロックワークス=コムストック・グループ
公式サイト
R15+
☆☆☆
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン「ドライヴ」
脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
撮影:ラリー・スミス
編集:マシュー・ニューマン
音楽:クリフ・マルティネス
出演:ライアン・ゴズリング
    クリスティン・スコット・トーマス
    ヴィタヤ・パンスリンガム
    ラータ・ポーガム
    ゴードン・ブラウン
    トム・バーク
onlygod






















ムエタイの試合のシーン。白人男性が女の子を選ぶ部屋で店員にもっと若い娘はいないのかと言い、いないと言いビール瓶で殴る。違う場面になり娘を犯し殺した。そこに殺された父親が閉じ込められて男を殺せと中年のおっさんに言われ殺す。殺せと命じた男が娘の父親になぜ殺したと言い命を請う父親の腕を刀で切り落とす。ライアン・ゴズリング(ジュリアン)演じる男が暗くて赤い部屋に商売女を呼んでいた。片腕の男を連れてきてなぜ兄を殺したのかとジュリアンが問い詰めて、言い訳している様子が流れる。ジュリアンの母親がタイに来た。ジュリアンは男を許した。ジュリアンの母は長男を殺した奴を殺せと話す。

「ドライヴ」に比べるとエキサイティングな展開がほとんどない。ライアン・ゴズリングである必然性も乏しかった。スタイリッシュと言えばスタイリッシュかもしれないが、面白くなるポイントがない。神のような絶対的に強い謎のタイ人のおっさんチャンがカラオケを二度聞かされる。何じゃこれと思わされる。汚い言葉を使うクリスティン・スコット・トーマスのやつれたような感じが良かったが、最後にジュリアンが内臓に手を入れるのがよくわからなかった。

監督はおとぎ話という言葉を使っている。確かにそうかもしれない。復讐までだったら普通物語であるが、チャンが出て来ると物語を構築するというよりも破壊していくように進んでいく。完成度が高いとはいえない。のどを掻っ切ったり、腕、足を突き刺したり銃をぶっ放したりする暴力描写は鮮やかだった。

サントラ



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2013年05月01日

L.A. ギャング ストーリー
GANGSTER SQUAD

2012年アメリカ
05月03日(金)公開
http://wwws.warnerbros.co.jp/gangstersquad/
配給ワーナー
R15+指定
☆☆☆☆4
監督: ルーベン・フライシャー「ゾンビランド [Blu-ray]
原作: ポール・リーバーマン 『L.A.ギャング ストーリー〔上〕 (ハヤカワ文庫NF) (ハヤカワノンフィクション文庫)
脚本: ウィル・ビール
撮影: ディオン・ビーブ
プロダクションデザイン: メイハー・アーマッド
編集: アラン・ボームガーテン
     ジェームズ・ハーバート
音楽: スティーヴ・ジャブロンスキー
出演: ジョシュ・ブローリン
     ライアン・ゴズリング
     ショーン・ペン
     ニック・ノルティ
     エマ・ストーン
GANGSTER SQUAD























実話から着想を得ている。

1949年 HOLLYWOODLAND

ボクサーがサンドバッグを叩いている。かつての姿。足と腕を鎖につながれた男に人相の悪い男が言う。やれっというと腕を引っ張る車と足を引っ張る車が同時に発進し上半身と下半身がちぎれていく。死体を犬が食らう。逆らうとこうなると見せつける。

映画に出ないかと若い女に声をかける。事務所に来てと行くと男が二人待っていて3人の男たちが犯そうとする。後から男(ジョン・オマラ巡査部長)がその建物に銃を持って入る。エレベーターで格闘とする。用心棒の男の腕が外に出て階の間の所と上に上がるエレベーターとで手首から下がちぎれる。エレベーターを降り女がレイプされそうな部屋に突入し3人の男を殴り警察署に連行する。だが、3人の男たちはギャングの顧問弁護士によってすぐに釈放されてしまう。オマラ巡査部長はなぜだと驚くが上司も仕方がないという感じだった。3人の男は売春宿に戻ると、ギャングのボスの人相の悪いミッキー・コーエンが待っていた。刑事が荒らしに来たのかと不機嫌でこの売春宿はもういい燃やして保険金をもらうと言って3人の男を部屋に閉じ込めたまま建物ごとガスで燃やしていく。男たちは燃えていく。

オマラは家に帰り妻からWar is Over。あなたに何があろうが私が守る。短いやりとりがある。簡単な単語のこの台詞のやりとりが核であって後は滅茶苦茶に暴力をやってしまおうという心意気が見えたシーンだった。アメリカのギャングと戦おうとしたら家族さえ狙われる、今でもギャングに対して不利な証言をする人、内部告発者は政府によって軍が逃がして守らないとならないくらい怖い。

市長も判事も警察も腐っていてミッキー・コーエンを野放しにしていた。警察本部長が正式の命令ではないが、コーエンのギャング集団を潰せということをオマラに言う。オマラは黒人警官、年老いた銃の名手、メキシコ系、メカに強い男を集め、これからやることにおいては警察バッチは家に置いておけと言う。警察本部長を演じたニック・ノルティがどんとしていた。

ギャング映画、アル・カポネ対捜査官の「アンタッチャブル」の構図、オマージュのように思える。ショーン・コネリー的なポジションにロバート・パトリック、ヒスパニック系のアンディ・ガルシアにマイケル・ペーニャ。証拠がなかなかないところを掴んでいくところも似ている。爆竹を持った子供が駆け抜けて、ギャングが火をつけて車が爆発するところもハラハラさせるような演出もデ・パルマ的演出が見えた。ポチョムキンの階段はなかった。靴磨きの子があの人は撃たれると話して銃乱射、スローモーションに。

オマラたちはコーエンのカジノを襲ったり、ギャングたちを殺す。ヘロインを運ぶ車を乗っ取ろうとギャングと銃撃戦、ダイナマイトを投げ合い、誤爆してギャングの車ごと爆破。逮捕することなくもちろんギャングに弾を撃ち込む。しくじった手下がコーエンに報告するが、その手下はドリルで頭を貫通させられてしまう。

当時の歌謡曲が流れる中で殺されていくシーンもある。段々どっちがギャングがわからなくなる。敵対勢力のギャングの仕業だと思っていたコーエンも金を奪われていないことで警察が自分たちを潰そうとしていると気付いていく。

この映画で一番のインパクトはミッキー・コーエンを演じたショーン・ペン。実際のコーエンよりも顔が怖い。悪役のコーエンがはまっていた。切れてぶん殴る顔が良かった。コーエンのじっくりと殺していく嫌な感じが出ていた。
電信事業に手を出して何をするのかと思ったらギャンブルのための電話が必要だったからで今で言うとネットカジノみたいなものをやりたかったのだろう。

話の中で警備されていたコーエンの豪邸で盗聴器を仕掛けに行けたのかが不思議だった。それ以外はギャングとの銃撃、カーチェイス、ところどころの間抜けな笑わせるところ、体がちぎれる、プールに銃弾が、血が脳漿が飛び散るなどの残酷描写と見所が多かった。ギャング映画はこういうところが見たいんでしょうというところをちゃんと見せていた。





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2012年03月14日

おとなのけんか
CARNAGE

2011年フランス/ドイツ/ポーランド
02月18日公開
公式サイト
79分
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給
☆☆☆☆
監督: ロマン・ポランスキー「戦場のピアニスト [Blu-ray]」「ゴーストライター [Blu-ray]
製作: サイド・ベン・サイド
原作戯曲: ヤスミナ・レザ
脚本: ヤスミナ・レザ
     ロマン・ポランスキー
撮影: パヴェル・エデルマン
編集: エルヴェ・ド・ルーズ
音楽: アレクサンドル・デプラ
出演: ジョディ・フォスター
     ケイト・ウィンスレット
     クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」
     ジョン・C・ライリー
CARNAGE


キャストのクレジットがさっと出て消える。向こうのほうに子供たちが集まっていて、揉めているようだ。一人の男の子が木の枝で顔をばしっと殴りつけた。声は聴こえない。
ジョディ・フォスター演じる女性がパソコンであなたのうちの子が殴ってうちの子が歯を折ってどうのこうの打った文書をプリントしてケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ夫妻に渡した。玄関付近で離しているとクリストフ・ヴァルツに仕事の電話。帰ろうとするところでコーヒーはどうかとジョン・C・ライリー演じる被害者の父親に勧められる。エスプレッソとともにリンゴと洋ナシのコブラーを食べる。いかにもまずそうなビジュアルだった。食べながら電話をするクリストフ・ヴァルツ。気まずい感じのケイト・ウィンスレット。ダルフール地方の人権侵害にも詳しく自分が絶対的正義だというような優等生タイプの面倒くさい奴的雰囲気を醸し出しているジョディ・フォスター。テーブルに美術の作品集が並べられている。

帰ろうとすると、暴行した息子に謝罪に来いというところで揉める。大声で一緒の階のほかの家の人に聴こえるというので一端またジョン・C・ライリー夫妻の家に戻る。ヴァルツはしょっちゅう電話に出る。ケイト・ウィンスレットはうちの息子が暴行したのはそもそもお宅のお子さんが悪いからだと言ってけんかになる。ケイトは気分が悪いと言い出す。気分が悪いのにコーラを飲み、嘔吐。大切な作品集にもかかり、ジョディ・フォスターは怒り心頭でフジタの作品集までもと嘆く。ヴァルツのズボンにもかかり騒ぐ。
その後、父親たちは18年物のシングルモルトを飲んで気が合う。女性陣は夫に対して文句を言う。携帯に電話がかかってくる。チューリップが生けられている花瓶にぽちゃん。腹がよじれるほど笑う女たち。ヴァルツは携帯に人生の全てが落ち込む。

おとなのけんかという平仮名でのタイトルがはまっていた。コンパクトにまとまっていてとてもとても面白かった。このキャストと演出、脚本だからこそ。人間は本当におかしくて面白い。
嘔吐のシーンでどかんと来て、やっちまった感が凄まじくて出ていた。気まずい感じの連続。そして、次の山場の花瓶にのシーンでは本当に滑稽でおかしかった。最後のテーブルに置かれた物が作動して、場が冷めてしまったのに見ているほうはおかしいといううまさ。子供はそんなことを気にせず遊んでいる。本当に子供よりもおとなが厄介。

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2011年06月02日

インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実
INSIDE JOB

2010年アメリカ
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給
05月21日公開
http://www.insidejob.jp/
☆☆☆☆
監督:チャールズ・ファーガソン
脚本:チャールズ・ファーガソン
   チャド・ベック
編集:チャド・ベック
   アダム・ボルト
音楽:アレックス・ヘッフェス
音楽監修:スーザン・ジェイコブス
ナレーション:マット・デイモン
第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞
insidejob























アイスランド、かつては美しい自然と資源に囲まれ国民の生活水準が高い国だった。外資系企業を誘致し外資のマネーがどんどん入り込んだ。3つの国有銀行は民営化され外資に買収された。山は切り崩され、エネルギーはアルミニウムの生成に消えていった。リーマンショックで投資で支えられた国の経済は破綻を迎えた。

アメリカでは以前は普通銀行では投資商品は売ることはできなかった。しかし、ロナルド・レーガンの時代から基礎が作られ、金融業界からのロビー活動によってクリントン政権で規制が緩和され、さらにブッシュ(子)によってさらに緩和されていった。

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