スポーツ
2006年10月13日
生島淳さん
小西克哉さん:日ハム優勝の関東地区の視聴率は11.5パーセント。地元札幌では31.3パーセント。ヒルマンさんはどういう経歴ですか。
生島淳さん:まだ43歳。メジャーに上がったことはなくて、マイナーで4年しかプレーしたことがない。26歳からコーチで、アメリカで13年間マイナーでコーチ、監督。2003年から日ハムの監督。
外国人が日本にリーダーとしてやってきて成功するしないのケーススタディになる。カルロス・ゴーンというレベルで語っても良い。ヒルマン監督は最初失敗している。監督就任当時はキャンプでアメリカ流の練習をやらせていた。午前中で練習が終わる。そのあと、リラックスしたり練習する選手がいる。日本人は練習しないと納得しない国民なんですよ。選手ももっと練習させてくれという話があって。今年から日本のスタンダードに戻りまして、6時間くらいやるようになった。ピッチャーも思い通り投げさせた。妥協した。
うまいのは選手のモチベーションを上げる方法はアメリカ人には敵わない。例えば、試合前のトークとか端的に出たのは選手起用。金村投手が監督に盾を突いてプレーオフが出場停止になっていますが、あれはほかの先発投手も不満を持ちかねない。そこでどうするかと思ったら、プレーオフ1戦、2戦と先発投手ダルビッシュ、八木に完投させている。これは先発投手陣に対して1つ貸しが出来たと思うんですね。先発投手への信頼を完投という形で表している。その分抑えの人間を使わなかったのですからリリーフ投手に貸しができた。彼らを日本シリーズでどう使っていくかが采配の妙技なんですけどね。出番を作っておくからというのはうまい。
どういうタイプの野球ですか?
適応力を見せた。去年まで過去3年間12球団の中で送りバントの数が最小だったんです。今年は133個で12球団トップになった。これはもう転向ですよ。まさに対日融和。郷に入っては郷に従えのことだと思いますが。日本のならではのやり方を身に着けたと思うんですよ。任せるよりも指揮官が指示を出してどれだけ選手は実行できるかというところで選手は頑張る。任せられると発揮できないところがあるのを見抜いたと思いますね。4年目にして勝った理由はあると思います。
バレンタイン、ヒルマンと2年連続アメリカ人監督ということがありますが、同一線上では語れないと思います。バレンタインは日本でアメリカ野球をやっている。送りバントをせずに選手の自主性に任せる。ロッテは勢いもあったし、選手がそれに応える能力もあったと思う。日ハムはそれほど玉はいないんだけれども、言われたことをきっちりやれる選手。ボビーはアメリカ流、ヒルマンは日本流で成功した。ボビーは選手の技術よりも自分のカラーでやるタイプ。ヒルマン監督は選手の状況を見ながらうまく自分を妥協したcompromise。うまい妥協点を見つけた。
プレーオフの戦い方で気付いたことは?
非常に選手の信頼を前面に出した。先ほどの先発完投が象徴的ですが、普通1戦目で抑えを出す場面でダルビッシュに任せた。意外にも乗っかった船に乗る。腹を決めた采配があったので同じような采配が日本シリーズでもできるかがポイント。
日本シリーズはどんな野球になりそうですか?
小さい野球じゃないですか。Small Basebal。日ハムは最多犠牲バント。中日は最多失策チーム。日ハムはホームランもパ・リーグでトップ。ただし、バントが基本にある。小さい野球と言ったけれども、監督の采配が非常に重要になる。落合、ヒルマンになったつもりで野球を見れば、何を考えているんだという囲碁や将棋のような戦い方が繰り広げられるんじゃないか。去年は阪神、ロッテは選手の能力に任せた野球だったからどんなプレーが飛び出すかというびっくり箱みたいな野球だったんですけれども、今年は神経戦がテーマ。これからアメリカに行くかもしれないんで困っちゃうんですよ。
(2006年10月13日TBSラジオ「ストリーム」より)
去年のロッテ、今年の日ハムといい、選手が本当に楽しそうに野球をやっているように感じた。アメリカ人監督だから雰囲気作りがうまいのか。日本では有名選手、活躍した選手が監督をすぐにやる。そうではなくて1軍でやる前に2軍やアマチュアで実績がある監督でなければ1軍の監督はできないような監督養成期間を作らないとますますアメリカ人監督に依頼するようになってしまうと思う。もう選手ではないのに名前ばかりが先行する王、長嶋は本当に采配がいまいちなのにナショナルチームを任せたがるのは疑問である。采配がうまくても野村野球みたいなミーティングが長くて古臭い野球もどうかと思う。これからは選手にちかくて監督の才能を持っている監督を育てなければ。
2006年10月12日
生島淳さん
小西克哉さん:テレビできのう行われたセントラル・リーグの優勝決定試合を中継したのはNHKのBS-1(衛星第一放送)だけで地上波での放送はナシ。
それどころか中日の地元の中京テレビでも放送されず、「どうして放送しないのか?」と数百件の苦情が寄せられたそうです。
生島淳さん:昨日だけではなく、中日がらみで2年前にもあった。優勝決定試合が中継されなかった。おととしは地元名古屋で対広島戦でやや地味で、地元名古屋ではバラエティ番組と2画面で放送だった。そのへんにソフトに自信のなさがある。
昨日は日本テレビが中継権をもっていた。中京テレビに中継しなかった理由を取材しましたところ大変込み入った事情があると説明していただけなかった。おそらく日本テレビとの中継権の事情があるんでしょう。もちろん中継したいのはやまやまだと思います。キー局との微妙な関係。それしか考えられない。全国のローカル局からすれば巨人戦はゴミなんですよ。視聴率1けたで。
10月の特番を優先したいという事情がある。野球に変えて視聴率がとれないことが確実ならなかなか放送に踏み切れない。10パーセント前後ならテレ東ならいざ知らず、日テレなら成功と言えない。TBSにも抜かれたそうですからね。
パ・リーグのプレーオフは札幌と福岡の地元局は中継する。20いかなくても2桁とると思う。プロ野球中継は地域のためのソフトになってきている。その中で巨人は全国向けの球団としてやってきた。地域性のない根無し草になっている。現状で言えば北関東のローカル球団になっている。東京ドームに行くと栃木、茨城から来た人達が途中で帰ることが多い。千葉、栃木、群馬、茨城あたりで巨人の人気が高い。中継がないとまた根無し草になる。キー局としての責任があって、北関東向けに中継できない。今後は変わっていくと思う。
CSで見る人が増えると思う。G+の強みは試合開始から終了まで流す、ケーブルテレビの充実は著しいですから選択肢の増加。将来的にメジャーリーグではMLB.TV(http://mlb.mlb.com/NASApp/mlb/mlb/subscriptions/mlbtv.jsp)で年間2万円払えば全試合が見られる。オンラインで。そういうかたちで日本も10年くらいで整備が進むと思う。キー局がキラーコンテンツとして巨人戦を流す時代は終焉を迎えつつある。
今年巨人戦が平均1けただったので、来年どうなるか。セ・リーグプレーオフ開始で巨人も3位までに入る可能性がある。その時どれだけ数字が取れるか。ただし、今年のように夏前に優勝戦線から離脱したらどうなるか考えなくてはいけない。日本テレビ系列のところに取材したところ、大手町(読売新聞社)の意向で決まるんだと。12月か1月に決まる。何故やめられないかというと新聞拡販、あるいは読売旅行がお客さんを募って東京ドームホテルに泊まらせて、巨人戦を見て、後楽園遊園地に連れて行くというビジネスモデルが成功ケースとしてある。巨人戦はその宣伝媒体。そういうったことを考えると視聴率だけで巨人戦をやめるわけにはいかないというとても難しい状況に陥っている。
(2006年10月11日TBSラジオ「ストリーム」より)
中日の中継に読売グループが関係しているとは。ホームタウンを置かないでどの地域の人にもファンなってもらおうという巨人の戦略は時代遅れ。新聞屋のナベツネを何とかしないとますます巨人離れは進んでいく。巨人の人気がなくなって巨人の影響力がなくならないとセ・リーグが面白くなる改革は出てこないと思う。
地上波の中継は意3回ぐらいから流す。初回で得点したチームは勝つ確率が高いので1回から野球は見ないと野球の肝心なところを見逃したことになり意味がない。野球においてもサッカーにおいてもこれからはCSなどで見る時代になる。
2006年10月05日
試合観戦数3500以上 後藤健生さん(サッカージャーナリスト)
(後藤健生さんの著書)
ガーナがベストメンバーで非常に真面目に90分間一生懸命試合をしてくれた。後半守備もしっかりして、中盤相手のミスを拾いあって、親善試合というよりも何かの予選を見ているような感じでしたね。
0対1
結果は重要じゃない。やはりガーナの守備力が強かったですよね。日本もチャンスを作っていたんですけれども、シュートがフリーで打てなかった。やはり、ディフェンダーが詰めていってコースが狙えない。
(怪我で闘莉王や坪井がいないのが)今は多くの選手に経験を積ませたいので良いほうに働くかもしれない。
全般にボールを奪う能力、ボールをとってからの正確さ。中盤のエシアンが効いていましたよね。ミスしない。プレミアでも注目選手。日本の選手が一生懸命走ってようやくボールを奪ってもそのあと慌てて相手にボールを渡したりが多いんですけど、エシアンはうまくボールを拾うと着実に繋いでいる。(日本の女の子をナンパして)返ってリラックスしましたかね。
日本のDF陣にわか作りにしてはよくやりましたね。阿部はやはり慣れたもんでうまいもんだという感じでした。。今野注目。本来、中盤の選手だけど昨日はDFやっていたんだけど。ミスも何回か決定的なミスもした。逆にオシム監督が目指しているリスクを冒した攻撃的なパスを選択してみたり、自分で上がってみたり、そういう面ではオシム監督は喜んだんじゃないですか。ミスしたのはいけないですけど。
小西克哉さん:番組にリスナーの方からメールがありまして、何故左サイドをアレックスにこだわるのかが分からないと。
やはり、アウトサイドは人材難なんですよね。はやくアレックスを脅かす選手が出てこないと。ほかにも相馬、家永の名前は出てきていますが。オシムになってからジーコ時代の4バックのサイドバックのポジションはやらないですよね。3バックのアウトサイドのMF。あるいは中のMF。守備の負担から解放されて彼の攻撃力が生きています。昨日ドリブルからチャンスを作っています。ああいう使い方ならこれからもアレックスは使えます。
播戸は99年ナイジェリアのワールドユースで小野伸二、高原、稲本と同じ年代で。初めてのフル代表入りは以外ですけど。オシム監督はJリーグですぐ結果を出すと。中村憲剛とか新しい選手を試してくれます。今回、田中達也選手が落っこちましたけれど、Jリーグで精細を欠いた時期がありました。ああいう形で落とされれば選手も納得いきますよね。ちゃんとやれば戻ることができると思います。
昨日は新しい選手を試すための選手交代ですよね。テストの交代始めた途端に点が入った。2人交代させた後。今まで張り詰めていたあとああ今からテストだなと集中を欠く事がある。本番ならあり得ない。一人でも多くオシムのサッカーを知っている人を増やす。
昨日は選手の動きもきびきびしていて、スピードもありましたし。まだまだ完全ではないし、初めての選手ばっかりなんでコンビネーション合わないんですけれども、要求されたレベルまでは出来たんじゃないでしょうかね。
昨日はシュートの制度よりもフリーでシュートに持ち込むことが出来なかったことです。完全抜け切っていない。DFが体入れてきたり、コースに人がいたり。駒野のど真ん中が一番。もうちょっと正面だったら。その辺がガーナが一生懸命やっていた。一年後にガーナは地元開催のアフリカ選手権がある。だからかなり本気だった。予選がないので、遠征でチーム作りをして地元なので優勝を狙っている。本当に相手が強かったので良かったと思います。
(2006年10月5日TBSラジオ「ストリーム」より抜粋)
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このごろ日本代表の試合は見ていませんが、まだ1年以上はチーム作りにかかると思うので見ても面白いという試合は少ないと思います。ヨーロッパのクラブチームの試合を見慣れると味気ないです。日本は本当に強くなるんだろうか疑問も感じてしまいます。
2006年09月27日
ドラフト制度は選手との契約金がバカ高くなるのを防ぐため。チーム間の戦力に差が出るのを防ぐため。日本でもメジャーにならって1965年に始まった。大リーグは毎年6月に完全ウェーバー制で行われている。成績が悪かったチームから順番に選手を指名していく。弱いチームほど良い選手を指名できる。弱いチームが強くなり戦力が均衡していく。アメリカ4大スポーツの3つバスケ、アイスホッケーも完全ウェーバー制。完全ウェーバー制でなければドラフトは意味がない。弱いチームはなかなか浮上できない。
日本のプロ野球では何故完全ウェーバー制ではないのか。93年の逆指名制度ができた年はJリーグのスタートした年。野球界、なかでもジャイアンツは焦っていた。ジャイアンツに良い選手が集まるように逆指名制度がスタートした。ジャイアンツが強ければサッカーに負けないと。しかし、ジャイアンツの人気は下がる。
ただ、メジャーリーグもドラフトにかかるのはアメリカ、カナダの選手だけでその他の国の選手は自由競争。中南米の選手は獲り放題。最近、弱いチームが弱いままなのはこのことが原因かもしれない。
世界で最も成功しているスポーツはアメリカンフットボールのNFL。ドラフトは完全ウェーバー制。テレビ放映権料はチーム全体の売り上げとしてプールされ、各チームに平等に振り分け、入場料収入はチーム全体の売り上げとして40パーセントがプールされ、残りの60パーセントがホームチームの収入。グッズ収入は全てチーム全体の売り上げ。NFL32全チームが黒字。戦力も均衡で長い歴史で2連覇したのは4チーム、3連覇のチームはない。この10年で優勝チームは7チーム。2004年アメリカの雑誌フォーブスでアメリカスポーツチーム格付けランキングではニューヨーク・ヤンキースが16位に入った以外は1位から33位までがNFLの全32チームが占めた。
どうしてこのようなドラフトは日本ではできないのか。ヨーロッパのサッカーリーグにドラフトがないのか。そのあたりをスポーツジャーナリストの生島淳さんに伺います。
生島淳さん:アメリカは妙に機会均衡にこだわる国なんです。いろいろな民族が集まっているからもありますけど、とりあえずスタートは一緒にしようよみたいなものがドラフトに現れています。弱いところから指名していって、みんな平均になろうよ。ヨーロッパはお金持ちはお金持ちで選手いっぱい取ってくださいみたいな。貧富の差があるのは致し方ない。それはそれでがんばりましょうみたいな。発想の違いがある。Jリーグにないのはサッカーというのは日本単独では成り立たないのでヨーロッパの習慣にならっている。ヨーロッパがスタンダードだからドラフトではなく自分で交渉して選手を獲りましょうと。海外の場合は移籍金をとりましょうと。
日本がNFLのようにできないのは93年の自由獲得枠が巨人主導でやった。FA制とセットでスタートした。巨人が栄えれば球界が栄えると本気で思っていた。共存共栄という発想がない。地方は球団が入り視聴率が取れるようになってきた。もう少し時間がかかる。
NFLは大学の選手を獲る。大学の選手はある程度完成している。それを順番にとっていくだけだから戦力が均等になる。その中でもドラフトが下手なチームもある。機会均等が徹底している。
日本は弱いチームから指名できるようにしないと。ドラフトは自由獲得枠とかわけの分からない制度だから、昔みたいに抽選に戻すのも手ですけれどね。ドラフトからドラマ性が失われたのが球界の盛り上がらなさにつながっている気がするんです。プロ野球界に就職するといういつもりをもって欲しいです。
誰も広島行くとか言わないから心配しているんです。立ち行かなくなったら儲けは分配するべきですよね。今の放映権料は読売が儲かるようになっているから、それをプロ野球機構に一括にまとめて分配する方向に変わらざるを得なくなると思います。守旧派はぶっ壊すべき。プロ野球は年寄りの力が強い。
(2006年9月25日TBSラジオ「バツラジ」より)
戦力均衡でないと面白くない。ヨーロッパサッカーでもいつも同じチームが優勝している。強いとお金が集まり、良い選手も集まる。弱いとその逆で負の連鎖からは抜け出せない。かといって強いチームも財政が決して良いチームばかりではない。どのスポーツもNFLのスタイルを取り入れたほうが底上げになると思う。
日本のプロ野球では何故完全ウェーバー制ではないのか。93年の逆指名制度ができた年はJリーグのスタートした年。野球界、なかでもジャイアンツは焦っていた。ジャイアンツに良い選手が集まるように逆指名制度がスタートした。ジャイアンツが強ければサッカーに負けないと。しかし、ジャイアンツの人気は下がる。
ただ、メジャーリーグもドラフトにかかるのはアメリカ、カナダの選手だけでその他の国の選手は自由競争。中南米の選手は獲り放題。最近、弱いチームが弱いままなのはこのことが原因かもしれない。
世界で最も成功しているスポーツはアメリカンフットボールのNFL。ドラフトは完全ウェーバー制。テレビ放映権料はチーム全体の売り上げとしてプールされ、各チームに平等に振り分け、入場料収入はチーム全体の売り上げとして40パーセントがプールされ、残りの60パーセントがホームチームの収入。グッズ収入は全てチーム全体の売り上げ。NFL32全チームが黒字。戦力も均衡で長い歴史で2連覇したのは4チーム、3連覇のチームはない。この10年で優勝チームは7チーム。2004年アメリカの雑誌フォーブスでアメリカスポーツチーム格付けランキングではニューヨーク・ヤンキースが16位に入った以外は1位から33位までがNFLの全32チームが占めた。
どうしてこのようなドラフトは日本ではできないのか。ヨーロッパのサッカーリーグにドラフトがないのか。そのあたりをスポーツジャーナリストの生島淳さんに伺います。
生島淳さん:アメリカは妙に機会均衡にこだわる国なんです。いろいろな民族が集まっているからもありますけど、とりあえずスタートは一緒にしようよみたいなものがドラフトに現れています。弱いところから指名していって、みんな平均になろうよ。ヨーロッパはお金持ちはお金持ちで選手いっぱい取ってくださいみたいな。貧富の差があるのは致し方ない。それはそれでがんばりましょうみたいな。発想の違いがある。Jリーグにないのはサッカーというのは日本単独では成り立たないのでヨーロッパの習慣にならっている。ヨーロッパがスタンダードだからドラフトではなく自分で交渉して選手を獲りましょうと。海外の場合は移籍金をとりましょうと。
日本がNFLのようにできないのは93年の自由獲得枠が巨人主導でやった。FA制とセットでスタートした。巨人が栄えれば球界が栄えると本気で思っていた。共存共栄という発想がない。地方は球団が入り視聴率が取れるようになってきた。もう少し時間がかかる。
NFLは大学の選手を獲る。大学の選手はある程度完成している。それを順番にとっていくだけだから戦力が均等になる。その中でもドラフトが下手なチームもある。機会均等が徹底している。
日本は弱いチームから指名できるようにしないと。ドラフトは自由獲得枠とかわけの分からない制度だから、昔みたいに抽選に戻すのも手ですけれどね。ドラフトからドラマ性が失われたのが球界の盛り上がらなさにつながっている気がするんです。プロ野球界に就職するといういつもりをもって欲しいです。
誰も広島行くとか言わないから心配しているんです。立ち行かなくなったら儲けは分配するべきですよね。今の放映権料は読売が儲かるようになっているから、それをプロ野球機構に一括にまとめて分配する方向に変わらざるを得なくなると思います。守旧派はぶっ壊すべき。プロ野球は年寄りの力が強い。
(2006年9月25日TBSラジオ「バツラジ」より)
戦力均衡でないと面白くない。ヨーロッパサッカーでもいつも同じチームが優勝している。強いとお金が集まり、良い選手も集まる。弱いとその逆で負の連鎖からは抜け出せない。かといって強いチームも財政が決して良いチームばかりではない。どのスポーツもNFLのスタイルを取り入れたほうが底上げになると思う。
2006年09月18日
生島淳さん
小西克哉さん:ゆくゆく大学に行きたいんだったら何でプロに行かないんだと素朴に思うんですが。
国分寺のスターバックス利用の生島です。近所なので早実の学生がよくいます。突撃インタビューみたいな品がないことはしませんが。
大学進学の最大のメリットは今のドラフト制度のもとでは大卒選手は好きな球団を選べるということですね。高校生ドラフトでは好きな球団は指名ができない。社会人、大学に行った場合は好きな球団に行ける。選手にとっては大きなメリットです。今のドラフト導入から言われていたこと。
確かにプロのほうがノウハウがあるのは確か。ただし、現場を取材していますとプロ野球では学歴がものを言う。例えば、プロで芽が出ないと現役引退をした選手は幹部候補生として球団に残る場合が合う。例えば、巨人で言えば、80年代に慶応から巨人に行った上田、94年に早稲田から行った織田(おりた)というピッチャーがいたんですが、活躍できなかったんですけど今は結構重要な職に就いている。潰しがきくのは事実です。巨人に限らず阪神で岡田、掛布の監督レースで一部では岡田さんは大学に行っているから話とかもあったりする。大学という要素も一つとしてあるのかなという感じもします。
斉藤選手は最初の段階で将来的にはメジャーもやってみたいし、そうでなかったら野球関連の仕事もしたいと言ってましたけれども。甲子園で松坂と投げ合った上重というピッチャーがいたんですけど、彼は立教に行って芽が出なくて日テレの野球アナウンサーですから。いろいろな形で広がる可能性があるので。
ただし、早稲田に限らず東京六大学で20勝、30勝を上げたピッチャーはプロでも活躍しているのは事実ですね。ソフトバンクの和田、中日の大エース川上、楽天の一場、このあたりは20勝台してますからね。斉藤投手は最低20勝、できれば30勝以上すれば十分プロに対する準備はできると見ることはできる。
早稲田は90年代前半まで、甲子園で活躍したピッチャーが退部に追い込まれることがあったんですよ。取手二高がPLに勝って優勝した頃、石田投手が早稲田に入っていなくなりました。甲子園で仙台育英の大越投手。早稲田に入っていなくなって、アメリカに行って最終的にはダイエーに入った。この時期はいじめがあった。90年代。かなりいじめられてそこで生き残っていかなければいけないところがあった。当時は。今はだいぶ変わってますので。だいぶ民主的な組織になっているみたいだから。和田に限らず、阪神の鳥谷、ヤクルトの青木など毎年のように選手を輩出していますので、一応プロに行く通過点としては悪くない選択だと思いますけど。
実際プロ野球で活躍している選手は大卒だと思われていますが、大学に行っていただけという選手は結構いるんですよ。単位を取らずに出てしまった人も多いです。なかにはいます。斉藤家はそういう教育はしてないとは思いますが。普通のキャンパスライフはありますし、卓球の福原愛選手とも同級生になるかもしれません。スポーツ科学部は所沢で文化的な刺激は少なそうですが。
人脈は広がるし、アスリートとしてほかの部活の選手と交流することになる可能性がある。
高校からすぐプロに入って活躍できるのは松坂やダルビッシュなど高校の1,2年からものが違う超高校級がやっぱり成功するパターン。斉藤投手は夏の甲子園まで超高校級ではなかった。どちらかというと駒大苫小牧の田中投手のほうが体格もあるしスピードもあるから超高校級だと思われてますが。そういう体的な体感と言いいますかそれがしっかりしている体の素の部分がしっかりしている選手。そういうことを考えて、レベルの上のところをクッションを置いてということだと思いますが。
(2006年9月12日TBSラジオ「ストリーム」より)
大卒にメリットのあるスポーツがあるとは。斉藤投手はこのままプロに入っても難しいと判断したのは英断だったのか。
2006年09月07日
試合観戦数3500以上 後藤健生さん(サッカージャーナリスト)
(後藤健生さんの著書)
現地サヌワから
昨日の気圧を測ったら776hPaでした。0.7気圧。
小西克哉さん:今日のスポーツ新聞はセルジオ越後さんから永島さんとかとにかく何やってんだイエメンごときにぼろくそですから。ここまでぼろくそに言われなきゃいけない試合なのかなと思ったんですが。
内容は良くない、動きの量も少ないし、MFとFWの連携も悪いし、良かったのは守備ぐらい。それでもミスはあった。ただ、今、良い試合をしろといっても無理なんですよね。Jリーグの後、翌日集まって、33度昼間は40度あるジッタで練習をして、高い山の上のサヌアに移動して前日練習もきちっとやって、。普通は前日は軽めの練習。オシムは試合直前の練習まできちっとやる。疲れているは気圧は低いはコンディションが悪いは大変ですよ。
もちろん、試合を考えたら疲れさせないほうが良い。ただコンビネーションがないのを直すためには練習が必要。ジレンマなんです。オシムは中東合宿なんだから試合のことは考えずに練習する。
小西克哉さん:アウトサイドから何も考えずにセンターリングしていると注意して。
新聞記者に言ったのも半分だけれども、選手に伝わるだろうと思っていっている。
イエメン戦の前日練習でアウトサイドでクロスをあげずにパスをつないで展開する練習を徹底してやる。試合に出てきた問題点をすぐに修正する。1回練習したぐらいでは変わらないけど、アウトサイドの選手の意識は変わりましたよね。意識の部分は変わったけれど、実際にできるかはまだ。試合で出てきた問題をすぐに修正する練習をする。それを積み重ねて直すしかない。中東遠征ではなく、中東合宿だと思えば非常に意義のある合宿だった。
もう一つ、こういう非常に難しい環境の中でしっかり戦える選手、しっかり走れる選手と日本では良いけどこういうところではうまくいかない選手がいる。そういうこともオシムさんは観察できた。試合内容はひどいけど、非常に意義のある合宿だった。ワールドカップは長いこと一緒にやるのでそういうことも大切。何週間もアウェイの環境でやらなきゃいけない。
(2006年9月7日TBSラジオ「ストリーム」より抜粋)
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試合が終わったあともリザーブが練習していたの見て、とにかく徹底して練習というのが伺えた。とにかく勝って結果をという長いスパンで考えないで言及し、分析をしない日本のスポーツジャーナリズムのなさを感じた。
2006年09月04日
試合観戦数3500以上 後藤健生さん(サッカージャーナリスト)
(後藤健生さんの著書)
0対1で負け。
ジッタから後藤健生さん。
ジッタはとにかく暑い。試合の時、気温が33度で湿度46パーセント。試合終了時は湿度60以上。これは暑いですよ。つらいですよ。
暑さの中でスケジュールもきついので良い試合を期待してもしょうがない。その割には日本の選手はよく走っていた。昨日の試合で一番良かったのは守備だと思う。相手が2トップで阿部が出て3トップ変わった。前日の練習では4バック。相手が2トップで、戦術は相手によって変わる。すぐに3トップに変わって、その阿部が守備を頑張ったのが良かった。
チャンスが多かったんですが?
昨日はフォワードではなくて、中盤が消極的な場面が多くて自分が上がっていかない。パスも後ろに下げちゃうとか中盤に問題があった。いずれにしても中盤とフォワードが連動しなかった。チャンスの数はサウジよりは多かったけれど、十分に良い形が作れたかというと形が作れなかった。相手のキーパーのファインプレーで防がれたのが3回。フォワードの問題ではなかった。チーム全体の問題。
後ろのほうはきちっと形を作った。浦和の選手が多いのでその辺のコンビネーションで。攻撃で誰がパスを回すのかできていない。一緒にやった経験がないからしょうがない。
とにかく練習が凄いですよ。試合直前のウォーミングアップでまともな練習をしている。暑い中で。試合を考えたらやり過ぎ。でも、今の日本代表を考えたら、試合よりも練習をしたい。本当は試合のない練習が3,4日あれば一番良いんでしょうが。試合のあるたびに集まって一生懸命練習している。
アジアカップの予選は2位に入れば良い。サウジと日本はほぼ間違いない。特にサウジ戦は勝っても負けても良い。大事なのはイエメン戦。勝つか引き分けで2位。むしろサウジ戦は控えを出すのかと思っていました。試合で勝つことよりも練習。
2300メートルのイエメンでも練習するでしょうね。気候が全然違いますからきついでしょうね。選手のコンディションを見て入れ替えがあると思います。力関係から言って、サウジはイエメンより弱いですから良いコンディションの選手を使えば勝てるでしょうが。
1点入った時間はミスが多くて、坪井が足がつっちゃって。不運はいつでもある。
イエメン戦は結果を出したい。引き分け以上。負けても最低0対1。2300メートルの高知でどれだけ動けるか。長野県出身の田中隼人は高いとこ強いかもしれませんよ。
(2006年9月4日TBSラジオ「ストリーム」より抜粋)
2006年08月19日
生島淳さん
高校野球を見続けて30年。
高校野球はベビーシッターだった。小学校2年に親父が亡くなって、食堂やっていてどこにも連れて行ってくれないので、夏休み中見ていた。中学に入っていても見ていた。見逃した試合は4,5試合しかない。荒木大輔対愛甲の早実対横浜の試合は学校を休んで見た。江川の時から見てますから。
高校野球がどう変わってきたか。
今年は何で面白いか。
駒大苫小牧という大本命が逆転で勝っている。経験もあって、おととしも逆転で勝っている。実践がある。長谷川繁敏さんの母校の東洋大姫路。彼は名前負けするんちゃうと言っていた。僕からすると東洋大姫路が北海道の学校に名前負けするとは考えられない。常識が逆転している。駒大は2連覇中、70年ぶりの3連覇を目指している。戦う前から有利。
日大山形。僕からすると日大山形?という感じなんです。宮城県出身者は優越感がある。仙台育英と東北高校。決勝まで進出した2チーム。オートマチックに宮城勢の勝ちなのに、日大山形に負けてしまって。愛媛の今治西に勝っちゃった。山形が愛媛に勝つ?日大がついても弱かった。見たら山形出身の子が多い。駒大苫小牧も北海道出身の子が多い。大阪から来た大阪代表日大はいない。俺は野球留学の学校は嫌いだから。
しばらく、高校野球が近畿、中国、四国で回っていた。その地域がサッカーが盛んではなかった。才能のある子は野球をやっていた。つい最近、今でもそう。ベスト8に近畿勢は3チーム残ってますから。一方、東北、北海道のチームは準々決勝までいったら良くやったといわれたのに。冬は練習できない。さらに、日照時間が短い。室内練習場が整備されてきて、野球がファーストスポーツになった。今回中国、四国がベスト8に残っていないのは信じられない。その代わり、東北、北海道は残っている。勢力地図を入れ替える必要があるな。
今回、野球留学校が残っていないとうれしい。鹿児島工業は県立。鹿児島といえば鹿児島実業。定岡さんの母校。鹿児島商工(現樟南)。私立の集めてきた学校が勝てなくなっている。普通の県立高校が残っていたりするところも好感が持てる。
全国の高校野球のレベルが平均化してきた。今の高校3年生は小学校4年生の時、サッカー日本代表がワールドカップに出ました。中学校の部活を選ぶ時に野球ではなくサッカーを選びたい。結構才能ある子が分散した世代。そういった意味で野球のトップクラスは変わらないけれど、中間層のレベルがやや落ちてきた。選手の層が標準化してきた。県立の高校でもチャンスができる。少数のエリートは野球をやるけど、ちょっと下ぐらいになるとサッカーもできるし野球もできて運動神経も良いしどっちにするか迷う。迷った時に分かれる。今までなかったこと。中間層のレベルが下がっている。運動神経の良い子が10とすると7か8の子もレギュラーに入れる。平均身長が低くなっている。高知商業では160センチもいて昔では考えられない。身長が小さくて運動神経が良い子のほうがレギュラーになれる。昔は身長178で運動神経が良い子がやっていた。
最近、日本の経済状況とも関わっているんですが。前に比べて、野球留学が減ってますね。80年代が盛んだった。野球で名を上げてという戦略で。大阪は1校で出れないから県外に行っちゃおうとか。そういうことで野球留学してたんですが、野球留学は学費はただではないないんです。授業料を払わなければならない。本当に凄い子はただだったりする。授業料払わなければいけないから親は経済的負担がかかる。それだったら、地元の高校で頑張らせて、地元の高校もチャンスが出てきて野球留学の現象というのもレベルの標準化も要素になっています。野球で名を上げようという学校も減っている。僕が中学受験の時、国学院久我山の学校説明会で校長先生が当校はラグビー、野球で有名かもしれませんが、大学進学実績でも頑張っておりますので。それは校長先生からすれば進学実績も見て欲しい。野球でレベルの高い子を入れたら、今度は進学実績でがんばっていこうという学校が増えてきているのかな。智弁和歌山も進学実績が良いんです。クラスを完全に分けてますから。
僕らの世代の監督が出てきたかと。僕らの世代はメジャーリーガーも出てきて、エースで4番が一人で勝ち抜こうという世代ではない。エース複数抱えて、総力戦で勝っていこうと。昔ベンチ入り14人だったのが、増えてますから。分業の時代。野球としては進化している。早実は斉藤君という2枚目が投げてますけど。6番でもホームラン打ったりして。あそこは昔の文法で戦っているから高感度がもてる。頑張ってるなみたいな。
小西克哉さん:朝日新聞に文句を言いたいけど、何でこんな熱い時にやるの?
ナイターでもいいじゃん。変えたほうが良い部分は確かにある。これがドラマを生んでいるのは否定できない。考えたほう良い。決勝は夜とか。
野球のレベルは落ちているのか?
ひょっとしたら、選手の質は落ちているかもしれないけれど、戦術的には分業の時代に入ってだいぶ変わってきた。一番大きかったのは木製バットから金属に移った時点。それまでバント全盛だった。ぽんぽんホームランが出るから。守って勝つ時代じゃない。逆転もある。
今年、ホームランがたくさん出るのは何故?
僕の仮説は飛ぶボールを使っているんじゃないかな。予選から同じボールを使っているのでバットが進化している。規定が変わって使いこなせればどんどん飛ぶバットになっている。用具の発達が関係していると思う。各社用具の向上を図っていますから。3番手のピッチャーはほかの学校行けばエースになれますよ。決して劣ってはいない。3回ずつ分業していけばレベルの高いままリレーができますからね。そのあたりはうまく監督がやりくりしていると思いますから。監督の戦術が大きくなっています。昔はエースに任せるしかなかった部分がピッチャーの交代期であるとか、今までの高校野球で見られなかったマネージメント部分が非常に重要になってきた。ピッチャーをつなぐところもあれば、早実のようにエースの斉藤君にまかせるところもあるごった煮の状態を楽しめる。
トレーニングは
今発達しているのはメディカルの部分。投げ終わった後のアイシング。やったほうが全然違いますよ。メンテナンスにおいて重要。回復を早める。10年前までは高校野球はやらなすぎたから。そろそろ連戦はやめても良いんじゃない。連戦やるから盛り上がるのは絶対ある。
僕が見たいのは駒大苫小牧対早稲田実業。
(2006年8月17日TBSラジオ「ストリーム」より)
私は高校野球に関して昔から否定的です。しかし、生島さんの分析はとても興味深かったです。野球だけで名を上げようとする高校が減ってきた。野球留学が減った。サッカー人気、少子化でチームの実力が平均化してきた。サッカー人気ということで高校野球の注目度を下げることにつながればと願ってしまう。
何で暑い時期にしかもくそあつい時間にやるのか。そして連戦、連投で何人の投手が肩を壊したか。こんな未成年を酷使する虐待をしていて、主催の朝日新聞は様々な事件、不正に異議を唱える立場で語れるのか甚だ疑問であります。春夏ではなく、1回だけの開催で良いのでは。各県の出場数が様々な中での不公平さ。夏やるなら、甲子園ではなく、ドームでやるべき。
何と言っても、高校野球の負けたときの悲壮感というか暗さが気持ち悪い。時代遅れな感じがする。
日本は早い時期に野球一筋と決めてしまうため、レベルは非常に高いが、様々なスポーツに触れることができない。高校野球が最終目標の人が多いような気がする。アメリカでは広すぎて、高校一を決めることはしなく、高校、大学の選手の最終目的はメジャーリーグでプレーをすることという1点に集中する。そのほうが連投して夢半ばで肩を壊すようなことはなくなるのでは。(連投させたら、州によっては州法により虐待で監督、コーチが逮捕される可能性があります。)日本ではジャパニーズドリームはほぼないので、高校の大会で全力を尽くしたところで必ずしも将来に結びつかない。
アマ、プロ、高野連と別々の組織でまとまりがないのは異常とも言える状態。サッカーのほうが最終目標がプロで、日本代表になるという目的がしっかりしていてサッカー協会が全てのプロ、アマを仕切りしっかりした組織作りをしていて、スポーツはそうあるべきだと思います。