2019年02月23日

今年は『ROMA ローマ』が獲る であろう






アカデミー賞予想がライフワークのメラニーさん:

@mel_a_nie_oscar

(ジェーン・スーさんの高校時代からの知り合いで生粋のアカデミー賞予想マニア。1989年からアカデミー賞の本格ウォッチを開始。2000年からアカデミー賞の本格予想を始め、今年でキャリア19年目。1997年に某映画会社に入社するも予想にはインサイダー情報を一切用いず、それどころか入社以来一貫してアカデミー賞発表日には有休を取って会社を欠勤、家でアカデミー賞の中継を見続けています。)

宇多丸さん:メラニーさんの話を聞いているとアカデミー賞の話は本当に楽しい。

ショーとしても楽しいです。

宇多丸:メラニーさんには「ウィークエンドシャッフル」から第89回、90回と予想を。世界の映画祭特集でもお世話になりました。メラニーさんの独自のメソッドを伺います。

オフィシャルの情報で予想をする。

映画自体は見ていても見なくても構わない。映画そのものよりもアカデミー賞のほうが好きなので。

宇多丸:それはご謙遜で映画が好きだから出来るんだけど。ただ予想が作品の好きで予想がぶれることがあるので敢えてここは。

ここは勝負師を。

宇多丸:初期はジェーン・スーさんがツッコミを入れていたので。ここは突っ込まねえといけねえなと。何の勝負だよ。

なるべく勝ちたい。

宇多丸:データ主義でもあるから。ああとなる。前回の90回では全24部門中21部門。

それはまぐれなので。もちろん過去最多です。

宇多丸:ここの所難しいとおっしゃっていましたね。いろいろ構造が変わってきて。

作品賞は本当に難しくて、去年、一昨年のと全く違って全く何が獲るか分からない。

宇多丸:一昨年は『ラ・ラ・ランド』が本命と言われていて、『ムーンライト』。

昨年は『スリービルボード』か『シェイプ・オブ・ラングレンウォーター』。軸は必ずあって、一昨年はラ・ラ・ランドだろうと言われていて『ムーンライト』。

宇多丸:今年は軸さえ見えない感じ。

これがという有力はあるんですが、それは完全ではなくて。今年は何が獲っても驚きだし、何が獲らなくても驚かない状況ですね。

宇多丸:昨日、町山さんがお越しになって、やっぱり今年は分からないと。というのは新しい勢力、新しい映像文化の流れがついにアカデミー賞にも流入してきたのもあるし。

宇多丸:そこが今回の肝でもあります。

宇多丸:データでは測れない部分がある。

そうですね。新しい勢力をどう見るか。アカデミー会員9200人くらい。凄い増えた。その人たちがどう見るかに全てかかっている。

宇多丸:細田守さんも会員になられて、送られてきて真剣に選んだんですよと伺って。



第91回アカデミー賞予想

助演女優賞はレイチェル・ワイズ
助演男優賞はマハーシャル・アリ
主演女優賞はグレン・クロース
主演男優賞はラミ・マレック
監督賞はアルフォンソ・キュアロン

作品賞は分からない。

宇多丸:それはダメ。一応。

好みでは『女王陛下のお気に入り』なんですけど、『ローマ』かな。

『女王陛下』は昨日見たんですけど、凄く良くて。作品賞8本で公開されている数が凄く多い。

宇多丸:日本で見られる作品がここまで多いのは珍しいですよね。

8本のうち6本見ていて。私の希望としては『女王陛下のお気に入り』は美術と衣装は獲って欲しいし、獲る確率が高い。

宇多丸:町山さんとの雑談で衣装は『ブラックパンサー』。

衣装も美術は『女王陛下』と『ブラックパンサー』の一騎打ち。今までの考えだと衣装は時代物有利だから『女王陛下』のはずなんですが、今年ダイバーシティとかインクルージョンが叫ばれている中で散らばらせる先が『ブラックパンサー』しかないんですよ。『ブラック・クランズマン』もありますが、獲れる可能性があるのは『ブラックパンサー』。コスチューム組合の賞は『ブラックパンサー』と『女王陛下』の両方が獲っている。両方ともフロントランナーで。今年の潮流を重要視するか、今までのオスカーの流れかで決まってきますが、私の個人的な趣味として『女王陛下のお気に入り』の衣装が本当に良かったので是非そちらに獲って欲しい。

宇多丸:なんだかんだでイギリス物に弱い。

コスチュームに関してはこの手が強いので期待はしているんですが。『女王陛下』は脚本も取る可能性があって、『女王陛下』か『グリーンブック』か。両方とも見ていてセリフ回しが面白い。凄く良い本なんですが、『女王陛下』のほうがオリジナリティがある。そこも『女王陛下』に行って欲しいと思っています。

宇多丸:日本で見られる作品が多いというのは予想にとってはプラスではないという。メラニーさんにはあるまじき好きなのでという。

映画好きを取るか、アカデミー賞好きを取るか。見られるなら見たいのがあるので。『グリーンブック』は期待して見て期待が大き過ぎたのもあって。『女王陛下』は期待していて期待以上に面白かったので。かなりここに贔屓目に入っています。

『ある女流作家の罪と罰(CAN YOU EVER FORGIVE ME?)』はメリッサ・マッカーシーが主演で売れない作家で誰かの伝記を書こうとして手書きの手紙を見つけて、売りに行く。高値で売れて有名人の手紙が売れると分かって、偽の手紙を作り始める人の話で実話。シリアス映画。素晴らしい演技をしていて。助演男優賞候補のリチャード・E・グラント も素晴らしくて良いんですが、作品が小さ過ぎて作品賞には絡んでこない。女性監督で本当は入ってきていたら良かった。二人とも受賞にはならないかな。凄く良い映画なので。

(※『ある女流作家の罪と罰』は劇場公開の予定はなく、デジタル配信&DVD発売 今夏リリース予定)

助演女優賞はレイチェル・ワイズ

昨日見て凄く良かったから。『女王陛下』からエマ・ストーンとダブルノミネート。主演もオリヴィア・コールマンもノミネート。ここがポイントでレイチェル・ワイズが獲る可能性があるのは、彼女は本当は主演で3人とも主演か3人とも助演でノミネートだと思う。レイチェル・ワイズは主演なのに助演でノミネートされているというところで助演以上の役割を果たしているという認識から可能性があると思うんですが。ただやっぱり二人ノミネートで二人に票が割れることもあるし、ほかのノミニーの中では『ビール・ストリート』のレジーナ・キングは前哨戦でずっと獲り続けていてゴールデングローブも獲ってフロントランナーではある。レジーナ・キングはただ俳優組合の賞でノミネートもされなかった。プラス英国アカデミー賞の候補にも入らなかった。両方ともにノミネートされないでオスカーを獲るのは凄く難しい。それを考えるとどうなんだろう。レイチェル・ワイズは人気もありますし、アカデミー賞からの受けも良い人なので。

宇多丸:エイミー・アダムスは繰り返しノミネートされているのに。

本当は獲らせたいと思うんですが。ブライズメイドと言われていて。今回エイミー・アダムスとグレン・クローズがいて、エイミー・アダムスは6回目で今回獲らないとすると、グレン・クロースは7回目で今回獲って獲らないとすると、今生きている女優の中で獲っていない中でのノミネート最多という無冠の女王を受け継いでしまう。

宇多丸:グレン・クローズが獲ったことがないのが信じられない。

今回絶対に獲って欲しいんですが、グレン・クローズは可能性があると思うんですが。エイミー・アダムスは20年目のグレン・クローズ。これから何回もノミネートされるだろう。実力があり過ぎて。エイミー・アダムスは大好きなので残念ながら前哨戦は何も獲っていない。俳優組合の賞はレジーナ・キングがノミネートされていないので獲るだろうされていたところで全然関係ない『クワイエットプレイス』のエミリー・ブラントが。今回そういうのが凄く多くて。オスカーにノミネートされていない人に敢えて渡す?

宇多丸:この捻じれはなぜ起きたんですか。

分からないんだけど、その捻じれが起こっていて、脚本でも全然前哨戦が当てにならない。メソッドが当てにならないし、見てしまっているしブレまくりの予想になる可能性が高いんですけど。

主演女優賞はグレン・クローズが獲るだろうと思っている人が多いと思うんですが、実は下馬評ではオリヴィア・コールマンが凄い勢いで追い上げて来ていて。ただ、オリヴィア・コールマンは先程申したように3分の1なんですね。3分の1のオリヴィア・コールマンと完全な映画を背負って立っているグレン・クローズ。地味な演技なんですが、表情一つで凄く複雑な夫婦関係の妻の感情を表すんですね。それが映画のテンションを高くして最後までサスペンスが続く本当に面白い映画なので。

宇多丸:主演女優賞の5人の中でグレン・クローズが作品の背負い度は圧倒的に高いね。

7回目とか、みんな尊敬している女優さんであって功労的にも、さすがに71歳なのでこの先そんなに主演の映画は少ないと思うのでここであげたいと思うんじゃないか。

宇多丸:『ガープの世界』でノミネートされていてどういうこと。第55回。

最初の映画でノミネートされた人で。映画を見始めた中学生ぐらいの時に全盛期の女優さんだったので思い入れが強くて今回は彼女に獲って欲しい。

助演男優賞はメソッドから言ってもマハーシャル・アリ。あまり話すことがない。前哨戦は全部彼が獲っていて。見たんですけど凄く良いんですよ。こんな役者さんなんだと。

宇多丸:常に良いもんね。『ドリーム』『ハウス・オブ・カード』。

これだけは〇を付けられる。マハーシャル・アリは事実上の主演なんですよ。

宇多丸:主演男優賞はなぜ迷われたんですか。

前哨戦的にはラミ・マレックなんですが、何となく納得がいかなくて。

宇多丸:『ボヘミアンラプソディー』は好きですし、熱演していますが、出っ歯はやりすぎだろうとか。今年ベストと言われると。

この中で見ていないのは『バイス』だけなんですよ。ゴッホのウィレム・デフォーは素晴らしんですけど。ベネチア映画祭で男優賞を獲ったんですが。絶対獲らないとは思いますが。演技の度合いはヴィゴとかウィレム・デフォーとかブラッドリー。ウィレム・デフォーは3回ノミネートでいつかは獲るだろうと言われていて。

宇多丸:ブラッドリー・クーパーは監督賞とか作品賞を獲らないのであれば、『アリー』に何かをあげるならブラッドリー・クーパーの頑張りだろう。

良かったですよね。

宇多丸:曲を作っているんですよ。

クリスチャン・ベールは一回獲っているから。『ザ・ファイター』で。対抗馬はクリスチャン・ベール。メソッドに従うとラミ・マレック。今のところは。『バイス』は何も獲らない可能性が高いですね。

監督賞はアルフォンソ・キュアロン

前哨戦的なところではキュアロンが全部獲っているので。作品賞は全く別のロジックで動くので。唯一アップセットがあるとしたらスパイク・リー。

宇多丸:『ドゥ・ザ・ライト・シング』がノミネートされて以来、賞とは無縁。



あまりにも無視されてきたので何年か前に名誉賞を貰ったんですね。名誉賞は獲れない人にあげる賞。スパイク・リーにちゃんとした賞をあげたいという人は多いので。今回2回チャンスがあって、監督賞で獲るか脚色賞で獲るかで。どっちかというと脚色で獲る方が可能性がある。黒人の監督としてはパイオニアで尊敬されている監督。『ドゥ・ザ・ライト・シング』が脚本だけにノミネートで終わった。当時の授賞式でキミ・ベイシンガーが怒って。その時からずっと引きずっているので。監督協会の賞はキュアロンに。ここまできたら行くしかない。

宇多丸:キュアロンは『グラビティ』で獲ってるじゃん。

しかもキュアロンはほかにも可能性があって、作品賞、撮影もしている。

宇多丸:ルベツキじゃなくて。

撮影も獲ると言われている。だから、監督も獲って撮影も獲って、外国語映画賞を獲って、しかも作品賞も獲ったら獲りすぎだよねとなるのでどっか散って欲しいなと。

宇多丸:功労的なのもありますよ。マーティン・スコセッシはあげなきゃと思っていてついにあげたのが『ディパーテッド』でガクッと。そこじゃないだろう。ただ『ローマ』は素晴らしい作品ですからね。

宇多丸:一番難しいという作品賞は『ローマ』じゃないのと。町山さんはネットフリックスの映画であると、やはり映画業界の反発があるだろうと。

そこをどう見るか。ネットフリックスをどう見るか。一応メキシコ映画は外国語映画で作品賞を獲るというのは珍しいことなので。『アーティスト』が獲ったのは外国映画だけど無声映画なので。『ローマ』が獲るとなると新しい映画が獲るという部分が大きいのでそう簡単に獲るというのは。革命的。この間、海外に出張に行っていて、アメリカに住んでいる人たちと話をしてやっぱり大半が『ローマ』だろうと言っていて意外とネットフリックス問題は気にしていないのかなという気がしたんですね。一番打撃だったのは週末英国アカデミー賞が発表されてどう考えても『女王陛下』が獲らないといけないのに『ローマ』だった。英国アカデミー賞でも『ローマ』ということは少なくともイギリスはネットフリックスを気にしていないかなと思ったし、『女王陛下』がそこで獲らなければ本戦では獲れない。前哨戦、メソッドだけで考えると『グリーンブック』と『ローマ』。

宇多丸:町山さんは『グリーンブック』じゃないかと。

両方ともネックがあって、『グリーンブック』は去年のトロント映画祭で観客賞を獲った。トロント映画祭で観客賞の作品は獲ることが多いんですが、すぐ後に公開するキャンペーンをヴィゴとマハーシャル・アリが行っていて、ヴィゴ・モーテンセンに問題発言があって炎上することがあった。その痛手があってマハーシャル・アリは差別発言の意図はないと擁護もしたし、黒人コミュニティでも擁護の人がいてそれでもやっぱり響いてアメリカでヒットに至らなかった。ヴィゴの発言と同時に批評家の中でも白人が撮っている黒人差別の映画みたいな意見が出て来て反発する人が出てきたり味噌が付いた。うまく公開がいかなかった。

宇多丸:昔からなくはない『ドライビング・ミス・デイジー』とか人種問題を扱ってはいるけどソフトな着地をするヒューマンドラマ。保守性が逆にマイナスということですかね。

そうなのかもしれません。凄く普通に笑ってほっこりできる良い映画は今までにもあるよねということかもしれませんし。思ったようにはヒットしなかったんですよね。完全に『グリーンブック』は勢いが落ちたと思われていたところでゴールデン・グローブのコメディ部門を獲った。『バイス』も『女王陛下』もあって獲った。プロデューサーギルドも獲った。二つを獲ったのは大きくてフロントランナー。でも、監督賞にノミネートされていない。なのでいろいろ無理なんじゃないと思うところがあって。基本は両方ノミネートなので。素直に思えない。全然分からないです。『ブラックパンサー』かもという人もいて。象徴的に。まさかとは思うんですが。『ボヘミアン』も。

宇多丸:批評家筋がちょっと陳腐なんじゃないのと言っていたのが観客の圧倒的な支持で。

ないとも言い切れない。全然分からないです。決めていないです。

宇多丸:ほかに注目の部門は。

美術と衣装で『女王陛下』か『ブラックパンサー』かが大きな分かれ道。

宇多丸:コーエン兄弟の『バスターのバラード』が入ってきていたり、ネットフリックスが入り込んできている。何年か前のテイラー・シェリダンの『最後の追跡』とか。

ドキュメンタリーは毎年入っているので全く与えられていないわけではないけれど、作品賞は大きいので。やっぱり映画を作っている人たちのアカデミーなので劇場映画を劇場でかける人たちの集まりというところで劇場公開しないネットフリックスを良しとして良いのかというのは映画業界としてあるとは思いますけど。

宇多丸:主題歌賞は『ブラックパンサー』か『アリー』。

主題歌は絶対『Shallow』でしょう。そこは堅いと思います。

宇多丸:外国語映画賞は。

『万引き』は正直難しい。『ローマ』が圧倒的に強くて、それを覆すのが『COLD WAR あの歌、2つの心』と言われていて。3番手かな。

宇多丸:長編アニメーションは細田守監督の『未来のミライ』が入っているだけでも驚きですが。

『スパイダーマン』ですね。これも堅いと思います。前哨戦全て獲っているので間違いないと思います。今回面白いのは長編ドキュメンタリー賞で絶対獲るだろうとされていたのがノミネートされていなかったんですよ。『Won't You Be My Neighbor?』が入らなかったかので。『FREE SOLO』か『RBG』かなと思っていますが。ロッククライミングの映画か、RBGはルース・ベイダー・ギンズバーグという女性の最高裁判事の映画で、ただRBGという人が凄い人気で彼女が授賞式に来るのではと言われていてそうなると獲るかなと。

宇多丸:ショーとしては今年司会者がいないという。

カオスですよね。89年はそう。

宇多丸:現時点での予想は。

かなり変わると思います。作品賞もそうだし、主演男優賞とか助演女優賞とかは変わる可能性があります。助演女優賞は今週末『ビール・ストリート』を見ますから。あとは全体の数でバランスを見ながら作品賞を決めようと思います。

宇多丸:獲らないということも一つのドラマだから。さすがにグレン・クローズはないだろうと。

さすがに獲って欲しいですね。最終予想はツイッターを始めたので当日9時に発表します。@mel_a_nie_oscar

宇多丸:『ローマ』が家で見られる時代ってどういう時代だよ。

家で見たんであれなんですけど、監督が劇場公開するならドルビーアトモスじゃないととか言ったので日本ではまだ公開されていないんですが、本当は劇場で見ると全然違うらしいです。

宇多丸:『ローマ』こそ劇場で腰を落ち着けて見なきゃちゃんと入ってこない映画なんだよ。本当に捻じれで町山さんがおっしゃったネットフリックスは巨大資本でそれに対して映画業界が対抗していくことに意味があると。同時に今のハリウッド映画はブロックバスター映画かインディかと二極化していて中間映画がなくて、そこを拾っているのがネットフリックスの映画で映画の質的にはネットフリックスが救っているところがあると思うんですよね。

作る側としてはネットフリックスが凄くありがたいと思っている人たちが投票者の中にもたくさんいるわけで。

宇多丸:質的に考えてもネットフリックスのおかげというのがいっぱいある。

アルフォンソ・キュアロンはネットフリックスじゃなきゃ作れなかったので。スパイク・リーもネットフリックスで次、みんな雇われている側なので。

宇多丸:旧来型のメジャー映画会社はアメコミヒーロー物とリメイクとになっちゃっているからそう単純じゃないんだよな。25日の18時台に再び登場いただきます。町山さんは20時台に全体の統括を伺うと。俄然楽しくならない?

(2019年2月20日 TBSラジオ「アフター6ジャンクション」ビヨンド・ザ・カルチャーより)



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ネットフリックスがあることでお世話になっている、またはこれから世話になる業界人が少なくはないという意味で『ローマ』が作品賞をさらっていくのではないかという予測は説得力があった。ビッグバジェットで劇場で来るか来ないか分からない客を当てにしなければならない商売というのに無理があって、大体の予算と利益の目途が立つネットフリックス型の形式のほうが継続性があってメリットが大きく、ビジネスモデルの転換期にやっと映画業界も追いついて、映画業界という括りというよりも映像業界という枠に広げないと。そういう意味で『ローマ』が獲ればエポックメイキングとなる受賞となる。

『ローマ』は日本では東京国際映画祭のみスクリーン上映されたが、作品賞受賞となると劇場での拡大公開という動きが出てくるかもしれない。

ほぼ決まりなのは助演男優賞、主演女優賞、監督賞、外国語映画賞、歌曲賞、長編アニメ賞。衣装賞は4度目の受賞となるサンディ・パウエル『女王陛下』だろう。

助演女優賞候補でエマ・ストーンは『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞を受賞。レイチェル・ワイズは『ナイロビの蜂』で助演女優賞を受賞している。エイミー・アダムスは2005年にノミネートされて以来、助演女優賞で6回ノミネートされていて、そろそろ。レジーナ・キングは俳優組合では候補にすらなっていなかったが、ゴールデングローブ、放送批評家協会賞、ロサンゼルス、ニューヨークの批評家協会賞を受賞しているのと、母の立場と女性の立場としてのあの演技は凄かったのでと思うけれど、主演級なのに敢えて助演に持ってきてというレイチェル・ワイズも。

主演男優賞でヴィゴ・モーテンセン、ウィレム・デフォー、ブラッドリー・クーパーはない。クリスチャン・ベイルは助演賞を受賞していて、『ボヘミアン・ラプソディ』がブライアン・シンガーでごたごたがあってラミ・マレックに与えないと盛り上がりには欠ける。

ルース・ベイダー・ギンズバーグはアンチトランプもあっての長編ドキュメンタリー賞受賞があるかもしれない。『ビリーブ』の公開もあったので。



アメリカ製作者組合(PGA)賞

【実写作品】
★「グリーンブック」
 「ブラックパンサー」
 「ブラック・クランズマン」
 「ボヘミアン・ラプソディ」
 「クレイジー・リッチ!」
 「女王陛下のお気に入り」
 「クワイエット・プレイス」
 「ROMA/ローマ」
 「アリー/ スター誕生」
 「バイス」

【アニメ作品】
★「スパイダーマン:スパイダーバース」
 「グリンチ」
 「インクレディブル・ファミリー」
 「犬ヶ島」
 「シュガー・ラッシュ:オンライン」

【ドキュメンタリー作品】
★「Won't You Be My Neighbor?」
 「The Dawn Wall」
 「Free Solo」
 「Hal」
 「Into The Okavango」
 「RBG」
 「まったく同じ3人の他人」

アメリカ監督組合(DGA)賞

【監督賞】
★アルフォンソ・キュアロン  「ROMA/ローマ」
 ブラッドリー・クーパー  「アリー/ スター誕生」
 ピーター・ファレリー  「グリーンブック」
 スパイク・リー  「ブラック・クランズマン」
 アダム・マッケイ  「バイス」

【新人監督賞】
★ボー・バーナム  「Eighth Grade」
 ブラッドリー・クーパー  「アリー/ スター誕生」
 CARLOS LOPEZ ESTRADA  「Blindspotting」
 マシュー・ハイネマン  「A Private War」
 BOOTS RILEY  「Sorry to Bother You」

【ドキュメンタリー監督賞】
★ティム・ウォードル  「まったく同じ3人の他人」
 モーガン・ネヴィル  「Won’t You Be My Neighbor?」
 RAMELL ROSS  「Hale County This Morning, This Evening」
 エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ&ジミー・チン  「Free Solo」


アメリカ脚本家組合(WGA)賞

【オリジナル脚本賞】
★「Eighth Grade」
 「グリーンブック」
 「クワイエット・プレイス」
 「ROMA/ローマ」
 「バイス」

【脚色賞】
★「ある女流作家の罪と罰」
 「ブラック・クランズマン」
 「ブラックパンサー」
 「ビール・ストリートの恋人たち」
 「アリー/ スター誕生」

【ドキュメンタリー脚本賞】
★「Bathtubs Over Broadway」
 「華氏119」
 「ジェネレーション・ウェルス」
 「In Search of Greatness」

アメリカ映画俳優組合(SAG)賞、発表

【主演男優賞】
★ラミ・マレック  「ボヘミアン・ラプソディ」
 クリスチャン・ベイル  「バイス」
 ブラッドリー・クーパー  「アリー/ スター誕生」
 ヴィゴ・モーテンセン  「グリーンブック」
 ジョン・デヴィッド・ワシントン  「ブラック・クランズマン」

【主演女優賞】
★グレン・クローズ  「天才作家の妻 -40年目の真実-」
 エミリー・ブラント  「メリー・ポピンズ リターンズ」
 オリヴィア・コールマン  「女王陛下のお気に入り」
 レディー・ガガ  「アリー/ スター誕生」
 メリッサ・マッカーシー  「Can You Ever Forgive Me?」

【助演男優賞】
★マハーシャラ・アリ  「グリーンブック」
 ティモシー・シャラメ  「ビューティフル・ボーイ」
 アダム・ドライヴァー  「ブラック・クランズマン」
 サム・エリオット  「アリー/ スター誕生」
 リチャード・E・グラント  「Can You Ever Forgive Me?」

【助演女優賞】
★エミリー・ブラント  「クワイエット・プレイス」
 エイミー・アダムス  「バイス」
 マーゴット・ロビー  「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」
 エマ・ストーン  「女王陛下のお気に入り」
 レイチェル・ワイズ  「女王陛下のお気に入り」

【アンサンブル・キャスト賞】
★「ブラックパンサー」
 「アリー/ スター誕生」
 「ブラック・クランズマン」
 「ボヘミアン・ラプソディ」
 「クレイジー・リッチ!」


英国アカデミー(BAFTA)賞

【作品賞】
★「ROMA/ローマ」
 「ブラック・クランズマン」
 「女王陛下のお気に入り」
 「グリーンブック」
 「アリー/ スター誕生」

【主演女優賞】
★オリヴィア・コールマン  「女王陛下のお気に入り」
 グレン・クローズ  「天才作家の妻 -40年目の真実-」
 レディー・ガガ  「アリー/ スター誕生」
 メリッサ・マッカーシー  「キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?(原題)」
 ヴィオラ・デイヴィス  「妻たちの落とし前」

【主演男優賞】
★ラミ・マレック  「ボヘミアン・ラプソディ」
 ブラッドリー・クーパー  「アリー/ スター誕生」
 クリスチャン・ベイル  「バイス」
 スティーヴ・クーガン  「Stan & Ollie」
 ヴィゴ・モーテンセン  「グリーンブック」

【助演女優賞】
★レイチェル・ワイズ  「女王陛下のお気に入り」
 エイミー・アダムス  「バイス」
 クレア・フォイ  「ファースト・マン」
 エマ・ストーン  「女王陛下のお気に入り」
 マーゴット・ロビー  「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

【助演男優賞】
★マハーシャラ・アリ  「グリーンブック」
 アダム・ドライヴァー  「ブラック・クランズマン」
 リチャード・E・グラント  「キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?(原題)」
 サム・ロックウェル  「バイス」
 ティモシー・シャラメ  「ビューティフル・ボーイ」

【監督賞】
★アルフォンソ・キュアロン  「ROMA/ローマ」
 スパイク・リー  「ブラック・クランズマン」
 パヴェウ・パヴリコフスキ  「COLD WAR あの歌、2つの心」
 ヨルゴス・ランティモス  「女王陛下のお気に入り」
 ブラッドリー・クーパー  「アリー/ スター誕生」

【オリジナル脚本賞】
★「女王陛下のお気に入り」
 「COLD WAR あの歌、2つの心」
 「グリーンブック」
 「ROMA/ローマ」
 「バイス」

【脚色賞】
★「ブラック・クランズマン」
 「キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?(原題)」
 「ファースト・マン」
 「ビール・ストリートの恋人たち」
 「アリー/ スター誕生」

【音楽賞】
★「アリー/ スター誕生」
 「ブラック・クランズマン」
 「ビール・ストリートの恋人たち」
 「犬ヶ島」
 「メリー・ポピンズ リターンズ」

【撮影賞】
★「ROMA/ローマ」
 「ボヘミアン・ラプソディ」
 「COLD WAR あの歌、2つの心」
 「女王陛下のお気に入り」
 「ファースト・マン」

【英国作品賞】
★「女王陛下のお気に入り」
 「ボヘミアン・ラプソディ」
 「マックイーン:モードの反逆児」
 「STAN & OLLIE」
 「ビューティフル・デイ」

【外国語映画賞】
★「ROMA/ローマ」
 「CAPERNAUM」
 「COLD WAR あの歌、2つの心」
 「DOGMAN」
 「万引き家族」

【ドキュメンタリー賞】
★「FREE SOLO」
 「マックイーン:モードの反逆児」
 「RBG(原題)」
 「THEY SHALL NOT GROW OLD」
 「まったく同じ3人の他人」

【アニメーション賞】
★「スパイダーマン:スパイダーバース」
 「インクレディブル・ファミリー」
 「犬ヶ島」

【ライジングスター賞】
★レティーシャ・ライト
 バリー・キオガン
 シンシア・エリヴォ
 ジェシー・バックレイ
 レイキース・スタンフィールド







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