2016年03月30日
スポットライト 世紀のスクープ(感想)
スポットライト 世紀のスクープ
SPOTLIGHT
2015年アメリカ
2016年04月15日公開
公式サイト
配給:ロングライド
監督: トム・マッカーシー
製作: マイケル・シュガー
スティーヴ・ゴリン
ニコール・ロックリン
ブライ・パゴン・ファウスト
製作総指揮: ジェフ・スコール
ジョナサン・キング
ピエール・オミディアー
マイケル・ベダーマン
バード・ドロス
ジョシュ・シンガー
トム・オーテンバーグ
ピーター・ローソン
ザヴィエル・マーチャンド
脚本: ジョシュ・シンガー
トム・マッカーシー
撮影: マサノブ・タカヤナギ
プロダクションデザイン: スティーヴン・カーター
衣装デザイン: ウェンディ・チャック
編集: トム・マカードル
音楽: ハワード・ショア
出演: マーク・ラファロ マイク・レゼンデス
マイケル・キートン ウォルター“ロビー”ロビンソン
レイチェル・マクアダムス サーシャ・ファイファー
リーヴ・シュレイバー マーティ・バロン
ジョン・スラッテリー ベン・ブラッドリー・Jr.
ブライアン・ダーシー・ジェームズ マット・キャロル
ビリー・クラダップ エリック・マクリーシュ
スタンリー・トゥッチ ミッチェル・ギャラベディアン
ジェイミー・シェリダン
2015年アカデミー賞作品賞、脚本賞受賞。助演男優賞(マーク・ラファロ)、助演女優賞(レイチェル・マクアダムス)、監督賞ノミネート。
2015年ゴールデン・グローブ賞作品賞、監督賞、脚本賞ノミネートのみ。
レストランノーマのドキュメンタリー映画の予告編が流れる。世界レストランランキング1位、食中毒を起こしたりもした。見なくても予告編だけで大体分かりそうな気がした。
鉄格子がある。警官が歩いて来る。神父が子供をレイプしたんだってよ。と同僚の警官に話す。
ボストン・グローブ。新聞メディアも段々と人員と資金が減っていく。ニューヨーク・タイムズに傘下になったりしていて、マイアミからマーティ・バロン新しい編集局長がやってくる。ゲーガン神父による子供の性的虐待事件をもう一度調べなおしてくれとバロン編集局長は記者たちに言う。バロンはボストンの村社会には染まっていなくてユダヤ教であったということからゲーガン事件に注目できた。
実際に被害に遭った元少年の男性がいろいろ語る中で、被害者には少女も含まれていて、男女関係なく性的対象としていたことも分かる。
弁護士が彼はまだ生きているだけましだ。ほとんどの人は自殺してしまう。衝撃としか言いようがない。
子供を性的虐待している神父がざっと100人はいて、問題が発覚しようとすると2、3年で担当する地区を変えることで事件の発覚しないようにしていた司教、長老、カトリック教会ぐるみでの巨大犯罪組織ではないかということが判明してくる。女性記者のサーシャ・ファイファーが被害者だけでなく、加害者の神父の家も訪ねる。引退している神父が子供のほうが悪いんだというような言い訳をして姉が出て来てもう来るなと言われる。子供は片親だったり貧しかったり、弱弱しい子が狙われる。カトリック系の学校の校長を神父がやっていたりしてバスケットボール部の男子生徒が被害を受け、大人になって妻子がいてもそのことを思い出すと泣いてしまう。カトリックの特性である神父はプロテスタントの牧師を違って神と同等の地位で信徒に対する絶対的権限を使って悪事を働いたというクズを生み出す構図があった。だから宗教というのは厄介だ。
2001年9月11日の同時多発テロがあって期しずして特集記事は先送りになる。
司教側の弁護士が問題のある神父のリストを出せと言うと、以前、一回ボストン・グローブにそのことを告発した手紙を送ったがちゃんと報道したのかと言われる。それが最後の最後にまで繋がってきて、実は報道する側も完全なる正義ではなかったという苦さも味わえる。事件を追っている記者たちも私生活が荒んでくる。
発表報道ばかりの日本では調査報道がいかに貴重でお金も手間もかかるかがこの作品を見ると分かる。
MXTVで「松嶋、町山未公開映画を見るテレビ」で放映された2006年のドキュメンタリー映画「フロム・イーブル 〜バチカンを震撼させた悪魔の神父〜」(DELIVER US FROM EVIL)においてカトリック教会の神父たちによる子供への性的虐待、レイプの実態が描かれていて日本でも一部の人が知っていたり、メディアでも少しは報道されていた。被害を受けた少女がバチカンに行き、それでもなお拝んでしまうという場面では信仰の恐ろしさをも浮かび上がらす。
最後の事件に関係するカトリック教会を有する都市の膨大な数や問題のある司教がバチカン市国に行って位が上がったりしたり、ちゃんと事態を把握して謝罪していないというバチカンの態度には呆れる。
ドキュメンタリーはそういうことがあったんだというのが予め分かっていると特に珍しいことを描いているという感じはしなかった。アカデミー賞作品賞ということだが、それがないと売りがあるようには思えない。
SPOTLIGHT
2015年アメリカ
2016年04月15日公開
公式サイト
配給:ロングライド
監督: トム・マッカーシー
製作: マイケル・シュガー
スティーヴ・ゴリン
ニコール・ロックリン
ブライ・パゴン・ファウスト
製作総指揮: ジェフ・スコール
ジョナサン・キング
ピエール・オミディアー
マイケル・ベダーマン
バード・ドロス
ジョシュ・シンガー
トム・オーテンバーグ
ピーター・ローソン
ザヴィエル・マーチャンド
脚本: ジョシュ・シンガー
トム・マッカーシー
撮影: マサノブ・タカヤナギ
プロダクションデザイン: スティーヴン・カーター
衣装デザイン: ウェンディ・チャック
編集: トム・マカードル
音楽: ハワード・ショア
出演: マーク・ラファロ マイク・レゼンデス
マイケル・キートン ウォルター“ロビー”ロビンソン
レイチェル・マクアダムス サーシャ・ファイファー
リーヴ・シュレイバー マーティ・バロン
ジョン・スラッテリー ベン・ブラッドリー・Jr.
ブライアン・ダーシー・ジェームズ マット・キャロル
ビリー・クラダップ エリック・マクリーシュ
スタンリー・トゥッチ ミッチェル・ギャラベディアン
ジェイミー・シェリダン
2015年アカデミー賞作品賞、脚本賞受賞。助演男優賞(マーク・ラファロ)、助演女優賞(レイチェル・マクアダムス)、監督賞ノミネート。
2015年ゴールデン・グローブ賞作品賞、監督賞、脚本賞ノミネートのみ。
レストランノーマのドキュメンタリー映画の予告編が流れる。世界レストランランキング1位、食中毒を起こしたりもした。見なくても予告編だけで大体分かりそうな気がした。
鉄格子がある。警官が歩いて来る。神父が子供をレイプしたんだってよ。と同僚の警官に話す。
ボストン・グローブ。新聞メディアも段々と人員と資金が減っていく。ニューヨーク・タイムズに傘下になったりしていて、マイアミからマーティ・バロン新しい編集局長がやってくる。ゲーガン神父による子供の性的虐待事件をもう一度調べなおしてくれとバロン編集局長は記者たちに言う。バロンはボストンの村社会には染まっていなくてユダヤ教であったということからゲーガン事件に注目できた。
実際に被害に遭った元少年の男性がいろいろ語る中で、被害者には少女も含まれていて、男女関係なく性的対象としていたことも分かる。
弁護士が彼はまだ生きているだけましだ。ほとんどの人は自殺してしまう。衝撃としか言いようがない。
子供を性的虐待している神父がざっと100人はいて、問題が発覚しようとすると2、3年で担当する地区を変えることで事件の発覚しないようにしていた司教、長老、カトリック教会ぐるみでの巨大犯罪組織ではないかということが判明してくる。女性記者のサーシャ・ファイファーが被害者だけでなく、加害者の神父の家も訪ねる。引退している神父が子供のほうが悪いんだというような言い訳をして姉が出て来てもう来るなと言われる。子供は片親だったり貧しかったり、弱弱しい子が狙われる。カトリック系の学校の校長を神父がやっていたりしてバスケットボール部の男子生徒が被害を受け、大人になって妻子がいてもそのことを思い出すと泣いてしまう。カトリックの特性である神父はプロテスタントの牧師を違って神と同等の地位で信徒に対する絶対的権限を使って悪事を働いたというクズを生み出す構図があった。だから宗教というのは厄介だ。
2001年9月11日の同時多発テロがあって期しずして特集記事は先送りになる。
司教側の弁護士が問題のある神父のリストを出せと言うと、以前、一回ボストン・グローブにそのことを告発した手紙を送ったがちゃんと報道したのかと言われる。それが最後の最後にまで繋がってきて、実は報道する側も完全なる正義ではなかったという苦さも味わえる。事件を追っている記者たちも私生活が荒んでくる。
発表報道ばかりの日本では調査報道がいかに貴重でお金も手間もかかるかがこの作品を見ると分かる。
MXTVで「松嶋、町山未公開映画を見るテレビ」で放映された2006年のドキュメンタリー映画「フロム・イーブル 〜バチカンを震撼させた悪魔の神父〜」(DELIVER US FROM EVIL)においてカトリック教会の神父たちによる子供への性的虐待、レイプの実態が描かれていて日本でも一部の人が知っていたり、メディアでも少しは報道されていた。被害を受けた少女がバチカンに行き、それでもなお拝んでしまうという場面では信仰の恐ろしさをも浮かび上がらす。
最後の事件に関係するカトリック教会を有する都市の膨大な数や問題のある司教がバチカン市国に行って位が上がったりしたり、ちゃんと事態を把握して謝罪していないというバチカンの態度には呆れる。
ドキュメンタリーはそういうことがあったんだというのが予め分かっていると特に珍しいことを描いているという感じはしなかった。アカデミー賞作品賞ということだが、それがないと売りがあるようには思えない。