2007年12月02日
『「シンプソンズ・ザ・ムービー」の舞台挨拶に怒り再炎上』宇多丸さん
RHYMESTERの宇多丸さん:
みなさん、昨日見ましたか。会見。日本中が注目していた会見。テレビ等でご覧になった人もいるかもしれませんが。本当にあの会見にはがっかりしましたよ。前に一回会見みたいなのをして、良くなくて今度こそという会見。本当にがっかり。ほかに言うことねえのかよという以下の会見。腹が立って憤怒のあまり鼻血を出してしまいました。あの会見。
「ザ・シンプソンズ・ムービー」の声優会見。
会見と言えば、世の中的には朝青龍と亀田大毅の会見がありましたが、どうでもいい。そのことよりももっと問題会見があった。「ザ・シンプソンズ・ムービー」のジャパン・プレミアが昨日あって、木曜日。15日に全国公開。日本語吹き替え版を担当した所ジョージさん、和田アキ子さん、田村淳さんが上映前に舞台挨拶に立った。シンプソンズ声優問題をずっと取り上げてきた。1回目はホフディランの小宮山さんをゲストに激論を交わした。
シンプソンズの吹き替え陣は15年間固定で素晴らしい声優陣がいて。理由もなく変わったらおかしいでしょう。変わった声優が大物タレントの方で、それで客寄せにになるのかという疑問も含めてファンから怒りの声が上がっていた。僕もどうなんだというので僕も取り上げた。
ひとまずの決着しかけていた。劇場公開前にオリジナルの声優陣で吹き返しなおしてDVDでは戻すと発表した。じゃあ、字幕、吹き替えを見てやろうかなという心の余裕が出かけた。昨日のプレミアでの彼らの言いぐさに。一旦鎮火していたファンが再炎上どころではない。もっと怒らせる事を言ってしまった。キャスティングされたタレントさんには責任はないだろうということがあった。そんなかばいも不能なような。朝青龍や亀田なんていうものではない。エリカ様なんてもんではないこの舞台挨拶のひどさは。
所ジョージさんが言っているのは。「意外と見ごたえがあり、面白いんじゃないかと思います。」意外とは何だよ。
「この映画に手応えを感じられる人は心に余裕がある人で、『これ、どうなんだろう…?』って思った方は心の貧しい人です」とユーモアたっぷりに作品をアピール。びた一文面白くない。そこはいいけれど、
和田さんと淳さんの映画を薦めるコメントを聞きながら所さんは「これってそんなにいい映画でしたっけ?」と混ぜ返したり「評価を下すというよりも、ただ観てほしい。ていうか評価に値しないんでね(笑)」、「ひとつひとつのシーンに、決して意味はありません!」と褒めてるんだかけなしてるんだかわからないコメントを連発。やる気のなさを突っ込まれると「そんなことないですよ。ちゃんとアフレコやったんで、後は(報酬が)ふり込まれるのを待つばかりです(笑)。120%の力を出したんで、ギャラも120%ほしいですね」と、とぼけた調子で返した。
大物芸能人は面白い事を言うんですね。完全に所さんはシンプソンズに悪意があるのかということしか言っていない。面白いんですか、真面目に見るものではないと。
シンプソンズは凄く高度な大人のアニメ。大人のジョーク。政治的で、セックスジョークも入っていて。馬鹿な大人にはわからない。そこが全米ナーバー1アニメだから凄い。素敵なアニメ。評価に値しないというのはどこから出てきているのか。
ロンブー淳さんは「確実に言えるのは、観ても絶対に泣けない、ということ。意味がわかんなくなっても、観終わった後に熱い論議を交わさないでください!」と力強く呼びかけた。
冗談なんでしょうが、意味がわからない。この人たちはシンプソンズを吹き返しながら意味がわからなかったんじゃないでしょうか。有名タレントを起用したら宣伝効果があるのは百歩譲って、これはどうなの。宣伝にもなっていないじゃない。
比較的、和田アキ子さんは真面目に答えてくれている。でも、言っていることはおかしくて。
「大人でも楽しめるし、日本のアニメでは考えられないくらいブラックユーモアがあふれてます。意味を考えずに楽しんでください」
ブラックジョークは意味を考えないと笑えないでしょう。この人たちはシンプソンズの意味がわからなかったとか、全部見ていないかとしか思えない。所さんあたりは元に戻せとかファンが言っているのでへそを曲げたかもしれないな。何なんだこれ。
アッコさんがラジオで朝青龍会見や亀田会見に苦言を呈すとかエリカ様に苦言を呈すとか言っているけれど、説教なんてされたくねえよという話ですよ。どうなってんだよ日本の大物芸能人とやらわよ。
落ち着きかけた燃え上がる事が多すぎる。声優陣は納得かないので字幕版で見ようという程度のファンが行こうとしても全国で東京の2館でしかやっていない。選択肢がない。嫌でも所さんのフォーマーを見るしかない。DVDが出るのが決まっているから行かなくねえ。
チラシとかもただの子供向けに絞ろうとしている。そこまで観客絞ってどうなるの。チラシの後ろの文句、「みんなが生まれるずっとずっと前から世界中のキッズを夢中にさせる超人気アニメそれがシンプゾンズだ。」
みんなって、69年より前。みんなは何なんだよ。シンプソンズが始まるあとの人がターゲット、子供しかターゲットにしていない。アポロ。僕らが生まれてくるずっとずっと。破っていい。僕は両方行きますけどね。
記事:「評価に値せず!」所ジョージら声優陣が『シンプソンズ』プレミアで毒舌トーク
(2007年12月01日TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」より)
ザ・シンプソンズ MOVIE THE SIMPSONS MOVIE
2007年アメリカ(FOX)
12月15日公開
公式サイト
監督:デヴィッド・シルヴァーマン
原作:マット・グローニング
脚本:ジェームズ・L・ブルックス
マット・グローニング
アル・ジーン
イアン・マクストーン=グレアム
ジョージ・マイヤー
デヴィッド・マーキン
マイク・リース
マイク・スカリー
マット・セルマン
ジョン・スウォーツウェルダー
ジョン・ヴィッティ
音楽:ハンス・ジマー
声の出演:ダン・カステラネタ
ジュリー・カヴナー
ナンシー・カートライト
イヤードリー・スミス
ハンク・アザリア
ハリー・シェアラー
アルバート・ブルックス
トレス・マクニール
グリーン・デイ
トム・ハンクス
声の出演(日本語吹替版):
所ジョージ ホーマー(劇場バージョン)
和田アキ子 マージ(劇場バージョン)
田村淳 バート(劇場バージョン)
ベッキー リサ(劇場バージョン)
FOXの方もよく考えて欲しいと思う。タレントを声優に起用しただけで集客があるのかを。こんなに作品に愛のないタレントを使ったら逆効果。そもそも声優の職をタレントが奪うな。
最近、邦題もいまいちのものが多く、配給会社の質が下がっているように感じる。宣伝に仕えれば何をしてもいいといのはどうなんだろう。
映画はボイコットされて、DVDを買えばいいという人が多くなると思う。