2005年03月16日
「クライシス・オブ・アメリカ」
「クライシス・オブ・アメリカ(THE MANCHURIAN CANDIDATE)」2004年アメリカ
2005年3月26日公開(公式サイト)
監督、製作:ジョナサン・デミ
製作:ティナ・シナトラ他
原作:リチャード・コンドン「影なき狙撃者」
出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、リーブ・シュレイバー、ジョン・ヴォイト
マンチュリアン・キャンディデイトは辞書を引くと操り人形のような人という意味です。同じタイトルの映画が1962年に公開されていての日本語タイトルは「影なき狙撃者」でした。その映画の舞台は朝鮮戦争で、朝鮮戦争に行ったお金持ちの政治家の息子が英雄になって帰ってくる。その部隊にいた人たちが助けられたんだと言って、それを後ろ盾にその政治家は大統領選に出て行く。ところがその部隊にいて助けられたうちの一人がフランク・シナトラで助けられた記憶はあるんだけど曖昧で、悪夢を見るようになってそのうちに実は助けられたのではなくて戦場で中共軍に拉致されて洗脳された。その洗脳はその政治家の息子が助けたという偽の記憶を植えつけられる。政治家の息子の母親が実は裏で中国につながっている。その母親は右翼政治家の妻で中国やソ連とつながっていて自分の息子を英雄にする洗脳をやってもらったという話です。最終的にはまず父親を大統領にしてから息子を政治家にしようと思っている。要するにソ連とか中国とアメリカの右翼と大企業は裏でつながっているのではないかという陰謀の見方があった。彼らは冷戦という構造をでっちあげて世界を征服しているんじゃないかと。洗脳されたのは唯単に嘘の記憶を植えつけられただけではなく、ある催眠の命令をかけると自動的に言うことを聞いて殺人でも何でもしてしまうロボットになっていることが分かるという怖い映画です。
2005年3月26日公開(公式サイト)
監督、製作:ジョナサン・デミ
製作:ティナ・シナトラ他
原作:リチャード・コンドン「影なき狙撃者」
出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、リーブ・シュレイバー、ジョン・ヴォイト
マンチュリアン・キャンディデイトは辞書を引くと操り人形のような人という意味です。同じタイトルの映画が1962年に公開されていての日本語タイトルは「影なき狙撃者」でした。その映画の舞台は朝鮮戦争で、朝鮮戦争に行ったお金持ちの政治家の息子が英雄になって帰ってくる。その部隊にいた人たちが助けられたんだと言って、それを後ろ盾にその政治家は大統領選に出て行く。ところがその部隊にいて助けられたうちの一人がフランク・シナトラで助けられた記憶はあるんだけど曖昧で、悪夢を見るようになってそのうちに実は助けられたのではなくて戦場で中共軍に拉致されて洗脳された。その洗脳はその政治家の息子が助けたという偽の記憶を植えつけられる。政治家の息子の母親が実は裏で中国につながっている。その母親は右翼政治家の妻で中国やソ連とつながっていて自分の息子を英雄にする洗脳をやってもらったという話です。最終的にはまず父親を大統領にしてから息子を政治家にしようと思っている。要するにソ連とか中国とアメリカの右翼と大企業は裏でつながっているのではないかという陰謀の見方があった。彼らは冷戦という構造をでっちあげて世界を征服しているんじゃないかと。洗脳されたのは唯単に嘘の記憶を植えつけられただけではなく、ある催眠の命令をかけると自動的に言うことを聞いて殺人でも何でもしてしまうロボットになっていることが分かるという怖い映画です。
フランク・シナトラが権利を持っていたがその後ケネディが暗殺されて洒落にならないと言われた。シナトラはケネディと仲が良くて、シナトラ一家のピーター・ローフォードがケネディの妹と結婚した。シナトラは女の人を世話したり、マフィアとつながっていて、ケネディと一緒に悪いパーティーをしたり写真を撮ったりしていた。途中でマフィアとケネディの弟が対立してシナトラとしては複雑な立場に置かれてその後マフィア、CIAがらみで暗殺されていると言われているのでこのへんはやばいんじゃないかという事と、ケネディを狙撃したと言われるオズワルドはソ連に一回行っている。この映画も中国、ソ連に行って洗脳された人間が暗殺者になるという話なのでシナトラも縁起でもない気分が悪いとこの映画を封印した。シナトラが全権利を持っていたため、62年公開の後は87年まで上映から何から一切しなかった。
リメイクされたのは今年で、マンチュリアン・キャンディデイトという題名のままでリメイクされた。これはシナトラの次女が権利を持っているのでプロデューサーになっている。この映画がまた現実と非常に絡んで面白い映画だった。先週の金曜日公開です。あまり洒落にならないというので話題になっている。これが舞台が湾岸戦争で、湾岸戦争に行った金持ちの息子が英雄になって帰ってくる。部隊で戦って一人で助けたということで、金持ち政治家の息子の親である金持ちの政治家をメリル・ストリープが演じている。彼女は軍事産業であるマンチュリアングローブとべったりで評判が悪い。彼女は上院議員でとにかく息子をべたべたに可愛がり、最終的には大統領にしたいと思っているが、息子はおとなしくあまり才能がない感じの息子である。その息子を政治家にするために湾岸戦争での英雄という事実をでっちあげた。現場では湾岸戦争の中に入って行ったマンチュリアングローブのトップの連中(凄い洗脳技術を持っていて)が部隊の連中を全員政治家の息子に助けられたと洗脳して偽の記憶を植えつけられる。薬を打ち続けてもうろうとした状態で彼に助けられたと言われ続けて、戦場で毒ガスを食らったりして記憶が曖昧でもおかしくないという状況にした。デンゼル・ワシントン演じる上官一人だけが自分では助けられたと記憶しているのに夜になると違う悪夢がよみがえってくる。それが洗脳されている最中の記憶なんです。おかしいなと思って調べ始めるとそれが模造記憶で助けられていなくて、洗脳されて植えつけられた記憶で金持ちの息子が政界に乗り出しているんだと分かる。調べていく過程がサスペンスで見ているほうもデンゼル・ワシントンはおかしいのかもしれないというところを残していて面白い。
どう見てもこれが金持ち息子の軍歴疑惑で誰のことを言っているか非常によく分かる。且つ軍事産業とべったりというところがハリバートンやカーライルグループのことをいっている以外にない。ブッシュベトナム戦争をさぼって州軍にいてそれもまたさぼっていてその証拠を探そうとしてもなかなか出てこない。何故サボっていたかというと部隊にいた人の記憶がないところが一番大きい。そのへんがパロディーとして面白く良くできていて、このシナリオを書いた人はシナリオを書いただけで1億円もらい尚且つ映画が当たるとパーセンテージでもらえる。調べていくと偽の記憶を植えつけただけではなくて、洗脳して副大統領候補の金持ちの政治家の息子が母親や大企業からの命令に自動的に従うようになっていた。マンンチュリアングローブが洗脳技術を持っていたのでその洗脳技術を使ってデンゼル・ワシントンと一緒にメリル・ストリープの息子を洗脳していた。それをメリル・ストリープがやらせていて、息子を大統領にして大企業とメリル・ストリープが彼をロボットのように使ってアメリカを操ろうとしている。副大統領になるというところもディック・チェイニーのようで凄い。共和党政権を少し変えているが非常にストレートで見ていて何を言っているか良く分かる。デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、監督ジョナサン・デミというアカデミー賞受賞者のベストメンバーをそろえていて演出が非常にうまくリアリティがあり怖い。デンゼル・ワシントンが謎を究明しようとする動きも敵の計算に入っていて、自分が事件を解決しようとしていることもストーリーに入っている。日清のカップヌードルも伏線になっていて、次から次へとどんでん返しがあって助けに来てくれた人が違っていたり、秘密を暴いたけれど敵が知っていたりと怖い話がある。これが共和党大会を舞台にしている。しかもちゃんとマジソンスクウェアガーデンで完全に共和党大会にぶつけてきている。民主党大会の直後に公開している。これをハリウッドがやっているのはすごい。ネタわれすると困るけどある程度わらないと怖さが伝わらないということがあって宣伝しにくい映画だと思う。洗脳という点はSFで重要なのは金持ちの息子が何にも分からないまんまアメリカを操って彼自信も操り人形なんだという怖さ。映画の中で選挙戦で対テロ戦争が一番の政策になっていて、対テロ戦争に勝つためにと軍事産業が儲かるためにやって、対テロ戦争と闘い続け永遠に軍事産業が儲け続ける。
パラマウントの製作でパラマウントはバイアコムグループという傘下にあり、バイアコムはコングロマリットでMTVを持っていてリベラルです。20世紀FOXは「戦火の勇気」を作っていて、ほとんど同じ内容です。湾岸戦争で英雄と言われて戦死したメグ・ライアンの実体をデンゼル・ワシントンが探す。共和党べったりのFOXだから戦争万歳で疑惑はいろいろあるが彼女は英雄で湾岸戦争は正しかったという映画になっていた。デンゼル・ワシントンがやっていることは同じ。映画会社が違うとこうも右と左で違うのかと思いました。今のアメリカの現状の中で庶民の感覚に近い。何をやっても大企業と政治家の癒着から逃げられない。
(TBSラジオ「ストリーム」2004年8月3日、町山智浩さんのリポートより引用、書き起こし)今週号のニューズウィーク日本語版でもこの映画が特集されています。
パラマウントの製作でパラマウントはバイアコムグループという傘下にあり、バイアコムはコングロマリットでMTVを持っていてリベラルです。20世紀FOXは「戦火の勇気」を作っていて、ほとんど同じ内容です。湾岸戦争で英雄と言われて戦死したメグ・ライアンの実体をデンゼル・ワシントンが探す。共和党べったりのFOXだから戦争万歳で疑惑はいろいろあるが彼女は英雄で湾岸戦争は正しかったという映画になっていた。デンゼル・ワシントンがやっていることは同じ。映画会社が違うとこうも右と左で違うのかと思いました。今のアメリカの現状の中で庶民の感覚に近い。何をやっても大企業と政治家の癒着から逃げられない。
(TBSラジオ「ストリーム」2004年8月3日、町山智浩さんのリポートより引用、書き起こし)今週号のニューズウィーク日本語版でもこの映画が特集されています。